第2話『今がそのときだ』Part4  Part3に戻る

「テメーら…」
 ザコとは言えど前日やりあった相手だ。見覚えはあった。そして能力を使うまでもなく理解した。報復と。
「ラァァァァァッッッッキィィィィ」
「ここで逢えるとはなァァァァァ」
「今日は昨日のようにゃいかないぜ」
 後ろ盾があるので威勢のいい3人組。真理はそれを無視して振りかえり寂しげにゆかりに言う。
「これでわかったろ。アタイはトラブルメーカーなのさ。関わらない方がいいよ」
 そして窓越しに敵勢を確認する。3人組のほかにもう一人の女。そして男が二十人。特に巨漢が目に付いた。それがスピーカーを通してさび付いたような軋んだ声で怒鳴る。
「木刀を素手で握り砕いた女とは貴様か? この四季隊ナンバーワンの夏木山三が相手をしてやる。表に出ろ」
(ちっ。助っ人を呼んだか。それに兵隊…ざっと男が二十人。一人でやるにはさすがに骨だな。だが…無関係のコイツらを巻き込めない)
 そうは言うもののこのまま出ないわけにも行かない。真理は覚悟を決めた。そのときみずきが素っ頓狂な声をあげる。
「四季隊…四季隊だって?」
「なんかあるのか?」
 真理は怪訝な顔で尋ねる。反対に閥の悪い表情でみずきが答える。
「いや…あいつの仲間をこの前のしちゃって」
 意外な返答に虚を突かれる真理。しかしガンズンローゼスを使わずとも、それがウソや冗談ではないとわかる表情だ。
「はん。結構やってるね。まぁいいさ。それとは関係ないようだし」
 真理は表に出る。その後ろを榊原がついてきた。
「なんだあんた? 危ないぞ」
「いやあ。そうなんだよな。男の方とのトラブルは俺たちのほうなんだよ。ま…責任をとってと言う事で」
「関係ない。引っ込んでろ」
「でも多勢に無勢だしな」
 確かに回りは全て敵。圧倒的に不利だった。その中の一人が木刀を掲げて突っかかる。
「ちょうど良いぜ。夏木さん。明日の襲撃で集合かけられたがこの場で春日隊の分までしとめてやりましょう」
 と、口は勇ましかったが突然飛来した矢の直撃を受けて倒れる。
「多勢に無勢とは卑怯ですわ。この北条姫子。及ばずながら助太刀します」
 いつのまにか店から出ていた姫子が、これまたいつのまにか弓矢を手にしていた。きりりと引き絞る。
「百花繚乱」
 立て続けに4本の矢が射られる。四人が直撃される。そして
「えいやあっ」
 跳びながら体を回転させ脚で十郎太が敵をなぎ倒す。
「姫。ここは拙者におまかせあれ。この程度の木っ端ども。物の数ではござらん」
「まぁ頼もしいですわぁ。十郎太さま」
 きりりとしていたのもつかの間。あっという間にいつもの天然になる姫子。それにじれたわけでもなかろうが夏木が指図する。
「そいつ等にかまうな。店の奴らを人質にしろ」
 指示をされた何人かが店の入り口にダッシュするが
「飛龍撃」
 上条がジャンプしてのアッパーで倒す。
「ここは僕に任せて早く次の宝瓶宮へ」
「…店のガードはまかせろってことだな…」
 なんとなく察した榊原。そうしてるうちに上条は跳んだ。3人を跳び越した。まさかここまでくるとは考えてない男は完全に無防備だったのでもろに食らった。
「龍尾脚」
「こ…こんな所まで飛んでくるとは…」
「だが間抜けめ。がら空きよぉぉぉぉぉぉ」
 他の男がその隙に進入をしようとしたが
「スタークラッシュ」
「ぶぎゃあーっ」
 みずきに蹴られて撃退される。ガラス窓を破壊しても七瀬の『ダンシングクィーン』が片っ端から修復してしまい進入できない。
「ここから中へは」「僕達が」「通さないわ」
 店は上条とみずき。七瀬がガードしている。入り口を通ればどうしても各個撃破される。結局『城攻め』は諦め『野戦』となった。

 乱戦になった。しかししょせんザコではかなう相手ではない。夏木は指笛を吹いた。一斉に戦闘を止めてザコは外へと陣形を組みなおす。
「…してやられた…これでは総番命令での明日の無限塾襲撃もままならん」
「この前の仕返し? だったら返り討ちにされた格好かな」
 榊原がまぜっかえす。
「オレとしてはこれ以上兵隊を消耗できない。そこでだ。元々がそこの女とアケミの妹分のトラブル。その当事者同士の決闘としようじゃないか。そうすれば互いに無関係のものを巻き込まなくていいだろう」
「紳士的だな。見た目はブタだが」
 榊原がまた神経を逆なでするように言う。心なし夏木の額に青筋が浮かんで見えた。それにかまわず真理が発言する。
「アタイには異存はないぜ。そのほうが手っ取り早い」
「上当だ。刻んでやるぜ」
 とても女と思えないようなセリフをはくアケミ。
「交渉成立だな。だがオレはアケミの助太刀をすると約束したしそこのメガネ。貴様さっきから人の神経を逆なでしてくれる」
「神経なら蛇にだってある。ブタにあっても当然か」
 心理戦と言うよりはおちょくって遊んでいるように見える。ついに夏木がほえた。
「貴様も出ろ。潰してやる。2対2だ。兵隊たちは壁だ。貴様たちの仲間もだ」
「ご指名か。いいだろ」
 こともなげに言う榊原。余裕を見せているがさすがにそれなりの巨体を見てザコほど簡単に扱えないと言うことを悟った表情。だが真理が待ったをかける。
「おい。関係ないあんたは」
「あるさ。あいつの学校とは俺の学校がトラブってたし。それにここで君に恩を売って置けば後で一発できるかも」
「誰がやらせるか!!」
「それにあんなブタ野郎にそのおっぱいは触らせたくないし」
「おまえにも触らせねーよ」
 人との深い係わり合いを避けていたはずなのに、榊原の前ではなぜか素顔になった真理だ。

 なんだかんだで壁を取り囲むように3箇所を隙間なく兵隊たちは四人を取り囲む。上条が芝居がかって言う。
「こ…これはランバージャックデスマッチ。かつて超人タッグトーナメントでキン肉マン。キン肉マングレートのマッスルブラザースとアシュラマン。サンシャインのはぐれ悪魔コンビが遣り合ったと言う経緯があるが」
「…もうちょっと現実的な例えはないのか…」
 みずきは上条に突っ込む。とにかく四方を両陣営の仲間に取り囲まれた。逃げ出そうとすれば周囲からおし戻される。それがっ! ランバージャックデスマッチだ。
「なるほど。いかにも足の遅そうなあんたにはうってつけだな」
「足は遅くてもつかむ事はできるわっ」
 夏木は肩にかけていたチェーンを投げつける。しかしターゲットは真理。それをかばった榊原がつかまった。
「ぐふふふっ。引っかかったな」
 そのまま力任せに反対方向に叩きつける。
「ぐあっ」
 反動でチェーンは外れるがダメージは大きい。
「ぐふふふ。名づけてエレファントチェーン。まさに象の鼻のように獲物を捕らえるのだ」
「へえーそーかい。おれはまた新しいファッションかと思ったよ。サイテ―のコーディネートと思ってたけどな」
「まだそんな減らず口を叩けるか。ならば今度は口から地面に叩きつけて歯をへし折ってくれる」
 もう一度、今度は最初から榊原目掛けて投げつけるがそれを捌かれた。
「グッ」
 夏木はそれを慌てて手繰り寄せるがその隙を見逃す榊原ではない。ダッシュして接近した。跳ぶ。プロレスで言う所のドロップキック。それもスピンがかかっている。足首がめり込むほど強烈にヒットした。夏木が吹っ飛ばされる。
「さすがにチェーンを捨てる事はできなかったな。それをとられたら鈍足のあんたにゃ攻撃も出来まいからな。そして見たか。俺の必殺技。タートルヘッドの威力」
「タートルヘッド? 亀の頭…」
 真理が不思議なネーミングに思わず尋ねる。榊原はふんぞり返って言う。
「その通り。例え先端だけでも亀の頭が腹に入れば大当り
 大威張りの榊原と呆れかえるみずきたち。
(とことんオヤジだわ…)
(もうちょっといい名前はつけられなかったのかな。スパイラルドロップキックとか。卍キックとか)
 だがそれがもう一組の戦いのゴングを鳴らした。

「でやああああああっ」
 アケミはナイフを横なぎに振り払う。情報を聞いていたので組み合うのは避けている。
「どうしたどうした。アタシには手も足も出ないのかい」
「けっ。光物出しときゃ勝てるつもりかよっ」
 口ではそう言うものの真理も近づけない。理由はナイフにある。
 ガンズンローゼスで相手の思考を読む。それでわかった。ナイフに即効性の痺れ薬が塗ってある。
 かすり傷でも負わされれば動きが止められる。そこをやられるからかすり傷一つ負えない。だから簡単に近づけない。
(えげつねえヤローだぜ。しかし確かにこの間合いでは奴の顔をつかめないし…顔がダメなら)
「ひゃあーははははははっ。どうした。どうした」
 調子に乗ってアケミはナイフを連打するがそれが隙を生む。ほんの一瞬だがナイフの戻しが遅れたのを真理は見逃さなかった。その腕を捕まえる。しめつけられ苦悶の表情になるアケミ。
「ぐあっ。は、離せ」
「さすがに突き出してくる腕ではターゲットが細くてかすらせる事もできないか。それにそれだけ連打してるってことは速さはともかくあんまり正確さに自信がないな。安心して手を出せたよ。顔には届かなくてもアタイをつこうとする腕なら間合いだし」
「は…はなせと言ってるんだっ」
「いいさ。離せってんなら…放してやるよ。そうら」
 真理は唯一人のいない壁に向かってまるでプロレスでロープにむかって相手レスラーを振るようにアケミをほうる。
 壁にたたきつけられたアケミはそのまま真理の方に帰ってくる。真理もダッシュした。そしてこれもまたプロレスのように真理は右腕をアケミの喉元に叩きつける。
「スレッジハンマー」
「がはあっ」
 まともにラリアートを食らってもんどりうって吹っ飛ぶアケミ。だが咳き込みつつもすぐさま立ち上がる。
「けっ。結構タフだね」

「あああっ?」
 突然の上条の声。みずきが驚いて尋ねる。
「どうしたっ? 上条」
「赤星。僕は今…重大な事に気がついた」
「なんだって? それはいったい」
「ああ…彼女。村上さんは見た感じ80年代の不良スタイル。しかし敵のほうにはいわゆるガングロや厚底靴がいる。い…いったい…この物語の時代設定はいつなんだあっ」
「戦いに集中しろぉぉぉぉぉ」

 榊原と夏木。どうも二人とも投げが得意のようだ。故にどうしても接近戦になる。
「そのバカ長いチェーンが接近戦でどれだけ役に立つ」
「ぐふふふ。こう使うのさあっ」
 夏木はチェーンを振りかざす。
(バカの一つ覚えか)
 榊原はチェーンを捌こうとしたがチェーンは「エレファントノーズ」と違い向かってこず体に巻き付いてきた。
(しまった。これでは捌きようがない)
 ブロッキングができないままとらわれた榊原はそのまま手繰り寄せられる。そして夏木の全体重で押しつぶされる。
「エレファントプレス」
「ぐあっ」
 160キロ近い巨漢にのしかかられた。これはたまらない。
「榊原君」
 七瀬が悲鳴を上げる。夏木の配下はにやにや笑っている。だが
「グ…はっ」
 呻き声をあげたのは夏木の方だった。榊原はとっさに夏木の左胸目掛けて右のひじをつきたてたのだ。夏木は自分で自分の心臓にダメージを与えた格好になった。榊原が出てきて舌打ちする。
「ちっ。だてに太っちゃいないな。まさか脂肪にめり込んで衝撃を吸収するとは。しかし!」
 榊原は高々と跳んだ。ジャンプからの急降下で威力を増してダメージを与える気だ。
「引っかかったな」
 夏木はいきなり起きてチェーンを中空の榊原目掛けて投げつける。それが見事に榊原を捕らえた。
「食らえ。マンモスキャプチュード」
 チェーンを手繰り寄せて地面に叩きつける。榊原はなんとか「ビッグショット」でまともには地面激突は避けてやられなかったが、それでもしたたかにダメージをくらいわずかに行動不能になる。
 そこを目掛けて夏木が跳ぶ。押しつぶすつもりだ。左手を胸に当ててガードもしているから同じ手は使えない。
「空中の相手を投げられるのはあんただけじゃないぜ」
 なんと榊原も跳んだ。見事に空中で夏木を捕らえた。
「ランデブー」
 まさしく空中ランデブー。空中で胴をつかみそのまま地面に叩きつける。衝撃で大きくバウンドする。
 仕掛けた榊原は体制を立て直すのも早く駆け寄る。よろよろ起きた夏木の頬に右手で横なぎに強烈な張り手。左足でキックに近い足払いをかける。反時計回りの力がかかった夏木はそのまま回転して吹っ飛ぶ。
「ブツダンガエシ」
「あら? お相撲ですか?」
 榊原が技の名乗りをあげると姫子がのほほんと言う。
「…いや…違うと思うな。あいつの場合…」
 女になると若干羞恥心が作用するのか赤面してみずきが言う。
「あいつ。まだ立てるぞ」
上条の言うとおり夏木はまだ倒れない。チェーンをつかむと…

 真理とアケミの戦いは圧倒的に真理が優勢だった。真理が右手を翳す。そこに『気』が高まる。
「もう後がないぜ。食らいな。XYZ」
 真理の右手高まった『気』。それがまさにアケミの顔面で炸裂する直前。激しい衝撃で中断された。夏木のチェーンに捕らえられた。
「ぐふふふ。俺の大技。マンモスノーズ
 決してチェーンが速かったわけではない。とは言えど当の真理は目前のアケミに集中して心を読むヒマもなかった。
 榊原も自分に向けられると思ったチェーンが、真理の方に飛んだので一瞬対応が遅れた。夏木は力任せに真理を投げる。
「助かったよ。山三」
「アケミ。こうなったらまずはそっちの女から始末するぞ。そうしたら」
「アタシとあんたでそのメガネをやるんだね。わかったよ」
 アケミは倒れた真理に向かって投げナイフを投じたが
「はっ」今度はそれを予測した榊原がブロッキングした。そのまま真理の背中に回りこむ。
よ…余計な事を…」
 強がって憎まれ口を叩くが正直ほっとしているのが見て取れる。それを知ってか知らずか優しい口調の榊原。
「いいからいいから。あっちがチームプレーで来るならこっちもやろうじゃない」
 二人は背中合わせに立ってそれぞれに向かい合う。
(こ…コイツ…アタイは一人で今まで生きてきたんだ。助けなんて…でも…暖かいな…背中が頼れるのってこんなに安心できたのか…)

榊原と真理。修羅場での初コンビネーション

このイラストはOMCによって作成されました。クリエイターの参太郎さんに感謝の意を表します。

「…本当に信用していいんだな…」
「大丈夫。まかせろ」
「よし。だったらあのデブは任せろ。次にチェーンを投げたら」
「じゃああっちの女は俺だ」
 榊原は深く問わない。女に甘いので簡単に信じる。だが裏切られつづけた真理にはそれが何よりうれしかった。果たして真理の言葉通り夏木がチェーンに手をかけた。
「ぐっ。ならば二人まとめて投げ飛ばしてくれるわっ」
 チェーンが飛ぶ。同時にアケミがナイフを投げる。しかし
「はっ」
「よっ」
 攻撃を予測していた二人はそれぞれに向けられた攻撃を捌く。投げ切った状態で夏木もアケミも動きが止まった。
 真理がしゃがむ。それを見た榊原が飛び越してアケミの前に立つ。
 突然相手が入れ替わりなおさら対処の遅れるアケミ。その隙に榊原の手が激しく動く。猛烈にアケミに刺突を繰り出す。
 同時にしゃがんだ真理の手から茨が伸びて地面を伝い夏木の首に巻きつく。
「く…首が…」
 縄跳びを叩くように真理は「ガンズンローゼス」をバウンドさせて高く上げる。

 一方アケミと榊原は鬼ごっこをしていた。
「くっ。突いた数の割りにゃぜんぜん効きやしない」
「そうかな。そろそろ気持ちよくなってきたんじゃないかな?」
「な…はああああっ?」
 鬼の形相で追いかけていた胸を押さえてアケミはいきなり蹲る。顔が上気して赤い。目もやや潤んでいる。それでも必死に榊原を睨んで言う。
「な…何をし…」
「俺はフェミニストでね。ブスでもスケバンでも女は尊敬している。だから殴らないでKOさせて貰う。この技の名はエクスタシー。全身の性感帯をついた。ちなみに男にも効くけどね。耐えてもあと3・2・1。ゼロだ」
「☆@▼※●◆¥↑∪〇…〜〜〜〜っ」
 ゼロと同時にアケミは声にならない声をあげて『果てた』。そして

 高く上げた『ガンズンローゼス』は電信柱の足掛かりにフックされる。そのまま滑車のように百キロを超える夏木の巨体を吊り上げる。
「スクリュードライバー」
「ぐえっ」
 まるで絞首刑のように吊り上げられる夏木。自重で首が締まればたまった物ではない。完全に気絶。戦闘不能に二人して陥った。真理が『ピィン』と『ガンズンローゼス』を弾くと夏木が解放されて落下する。(心が読めたので気絶したのはわかっていた)夏木の兵隊の一人がうろたえた声を出す。
「う・・・うわあっ」
「俺たちは将を誤った」
「今は強力の時代ではない」
「残虐の時代だ」
 大将格の敗北に配下は散り散りに逃げて行く。そこに
「忘れもんだ。受け取れ」
 アケミを投げた技『マンハッタン』で夏木とアケミを順番に放る。十分もしないうちに悪漢高校の面々はいなくなった。
「終わったな…」
「でもみずき。仕返しが来ない?」
「心配は要らないよ。及川。奴らにとってはあれだけの手勢で立った二人に退けられた場所。恥ずかしくて2度とこれないよ」
「ならいいんだけど…」
 なおも杞憂の七瀬。それを打ち破るように甲高い声が店内から飛び出してくる。
「村上さん! 大丈夫だった?」
「…ゆかり…」
 ゆかりは真理に飛びつくと大粒の涙をこぼして泣いた。
「心配したんだから…あんなに大勢を相手にケンカして…助けてくれてありがとう…でも…危ない事はやめて」
 はじめはお節介だったかもしれない。だが少なくとも今は本気で自分のために泣いているのがわかる。それを思うと何とも味気なく思っていたこの世の中が捨てた物でもないように思えてきた。だからこんな言葉が口を突いて出た。
「なぁ…アタイのクラスは何組だ…」
「村上さん…それじゃ…」
「真理でいいよ。へへ。ハーフどころか半分女のやつや、この現代に忍者やってるやつや、マリオネットマスターがいるんだ。まんざら退屈はしそうもないしね…」
「オレは退屈凌ぎか…」
 みずきのぼやきにどっと笑いが起きる。だけど真理が登校をする気になったのはそれだけでないとみんな思っていた。

 翌日。真理は無限塾の制服に身を包み登校していた。とにかく目立つ事この上ない。おのずと注目を浴びていたが以前のようにとがってはいなかった。
「真理―っっっっ」
 教室の窓からゆかりがぶんぶんと手を振る。二日で親友となった少女がいるから。
 そして共に戦った男がいたからそんなことはどうでもよくなっていた。

 わだかまりを捨てる。今がそのときだ。

次回予告

 四季隊三番手。秋本は剣の達人。木刀で人を殺せる男。ふとしたときに顔をあわせた十郎太に興味を示した秋本は執拗に勝負を挑んでくる。忍びの体術対邪剣。凄絶なる死闘の予感。
 次回「PanicPanic」第3話「飢えた虎」
 クールでないとやっていけない。ホットでないとやってられない。

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