第11話『サマー・パニック』Part4   Part3に戻る

「……ぐ…ぐぅ…う…」
 強烈な投げ技で大ダメージを負ったのぞき魔だったが、七瀬によって治療されている。ちなみに七瀬は意外に着替えは早い。
「お目覚めのようだな」
 濡れ衣が晴らされてご機嫌な榊原が言う。
 女子生徒は彼に対して平謝りだったが彼は『間違いは誰にでもある』と許した。打算が働いているのは言うまでもないが。
「う…うおッ…」
 反射的に逃げようと試みる除き魔だが真理のガンズンローゼスが縛り付けてある。
 損傷自体は治したものの体力は補充してないから逃げる体力がないと言うこともある。
 除き魔は囲まれていることもあり観念した。そして思わずもらす。
「くそッ…調子に乗りすぎた…電車の中だけにしておけば良かったが女子高生の着替えの魅力に…」
「調子に乗りすぎた? それはいったいどう言うことです」
 真理にボールのように投げられた事で文句もつけていたが、持ち前の正義感に火がついた麻神久子が詰め寄る。
 口が滑ったことを悟ったのぞき魔は、死なばもろともと言うところかぺらぺらと理由を喋り出した。
「あんたらよぉ、『女性専用車両』って知っているか」
「なんでもどこかの線の一両がそうなっているとか。痴漢防止で」
「そうだ。で…面白いことを考えたやつがいてね。ひょっとしたら対抗心が出たのかも知れねえ」
「勿体つけずにさっさと言え」
 みずきがせっつく。のぞき魔は『演出』を邪魔されて不機嫌だったが続けた。
「ネット上にばら撒いたのさ。『痴漢専用車両』のプランを」
「痴漢専用車両ォ!?」
 思わずハモってしまうほどとんでもない話しであった。
「ああ。検索で『痴漢』とか『のぞき』でサーチすると引っかかるな。ひょっとしたら本当にジョークだったのかもしれないが…暗黙の了解ができたのさ。ネット上のウワサでさすがにサツにたれこんだやつもいないしサツ自体もウワサでは動かない」
「まさかそれって…オレたちが乗ってるあの線?」
「それがこの学校の最寄駅のあれなら正解だ。それの最後尾で昨日。今日とやろうと言う話しでな。ところが昨日やったら本当に廻りはみんな味方でな」
「…だからあんなに簡単に逃げられたのね…」
 七瀬は取りのがした前日のことを思い出す。
「こりゃいいやってんで女を触り放題。どう言うわけか妙にケバいねーちゃんも多かったな。ありゃたぶん痴漢されたがっている女だな。
 それで今日も『合意』でやれると思って…調子に乗りすぎたよ。電車の中ならみんな味方だし」
「そんなバカな…」
 さすがに上条も否定的だが
「いや…多分嘘は言ってない。目を見ればわかる」
と、真理が言うので信じた。ただ「多分」でなく「絶対」。『目を見ればわかる』が『ガンズンローゼスで心を読んだ』なのが本当だが。
 一同声も出ない。車両の男がみんな痴漢…女にとっては悪夢の列車である。それを悟ったかのぞき魔が饒舌になる。
「さあどうする? 中にはリスクを犯して他の車両でやってるやつもいるかもな。あの列車は他より痴漢が多いぜ。かわいそうになぁ。神に見放された女子高生達よ。今日1日は乗ったら最後。触りまくられるぜ。胸。しり。触りまくらるぜぇ」
「ばぁか…おれたちがいる限り…もう一人も死なせねぇよ…」
「痴漢でしょ。上条くん」
「いや…こいつのセリフが『仮面ライダーSpirits』のコウモリの怪人じみていたからつい滝和也のセリフで…」
「さてどうする? 確かに推測の域は出てないし警察が乗ったら中止するだろうな。防止はできるが…」
「そんなことは許しません。悪は根絶やしにするのが鉄則です」
 もちろん一番熱いのは久子だ。同じく憤慨するみずきが続ける。
「決まりだな。痴漢撲滅作戦。やるぜ」

 横浜。着ぐるみバンドは既にバンの中に引っ込んでいる。傍目には宣伝活動が終わり涼しい車の中で一服中…に見えるだろう。
 事実リスの着ぐるみの中身の人物は氷の入ったジュースを片手に電話していた。
「ジョーさん? 沢部です…ええ…まだ張っていますけど変な動きはないですね。もう大変でしたよ。意外にハイテクの着ぐるみで内部に冷却水が循環するホースがあるからこの真夏でも何とかなりましたけど、それでも暑いし臭いし重たいし…二度とやりたくないですね」
 彼の名は沢部実。神奈川県警の刑事である。通称・ドクトール刑事。そして上条繁とも旧知の仲である。
 中尾勝に不審なものを感じる上条刑事は、自分の目の届かない管轄外で何かするのではないかと予感。そこで旧知の仲の沢部刑事に張りこみを依頼した。
 彼自身は午後から礼状を受け取りに裁判所に行くため時間があったので引き受けたが、問題はその立地条件である。
 ホテルの前方がビーチで張りこみに使える建物がない。さらには彼自身の姿にも難があった。
 金髪の髭面なのである。どう見ても刑事と言うよりはロックミュージシャンである。
 最近は金髪の日本人も珍しくないがそれでも彼は目立つ。まぁそれが認められるほど彼は検挙率も被害者のアフターケアにも優れた優秀な刑事であるが。
 そこで着ぐるみなら姿は見えないし、それを収納すると言う設定でならバンがとまっていても不思議はないと思いついた。
 こうして『着ぐるみ刑事』が登場したのだ。
「暑い思いした割には成果ありませんでしたし…そろそろ裁判所にも出向かないと行けないからいいですか?」

 都内。電話中の上条刑事だ。
「ああ。ご苦労さん。そうだな…これ以上単なる『勘』で君を拘束するわけにも行かない。ありがとう。この礼はいずれ」
 電話を切った。彼はふぅーとため息をつくと自分の椅子に座る。
「確かに『ちょっと怪しい』と言うだけでこれ以上付きまとうわけには行かないか。やることは多いしな。沢部くんにも無駄足させたな」
 否。彼が斑の前でがんばったから横浜で誰一人として犠牲にならなかった。このがんばりはまさに『ハマっ子刑事の心意気』と言う物だろう。
 ただこれで一度上条繁は中尾勝の追及を断念することにした。何と言っても物証がない。

 電車の中。男たちは獣の目をしていた。盛りのついたけだものの。そこにまさに狼の群れに投げこまれた羊のごとく女子高生がバラバラに乗ってきた。
(女子高生…生で若いぴちぴちの女子高生)
(うっひょおー。たまんねーぜ)
(この髪の長い女なんて上品でいい感じだぜ)
(それがどんな下品な声であえぐかな。楽しみだぜ)
 勢い勇んで痴漢はロングヘアの少女に近寄る。だが
(な…なにぃ…触れない。まるで結界でも張られているような…違う。高貴さが…)
 痴漢が狙ったのは姫子だった。あまりの上品さに近寄りがたかったのだ。そして振り向いた姫子の高貴さの前にひれ伏した。
「ははーっっ」
「も…申し訳ありませんっ。あなたのようなお方の体に触れようなどと…ああもうなんとお詫びして良いのやら。世界中に謝ります。私はインランですぅぅぅぅぅぅぅぅ。ごーめーんーなーさーいー」
 土下座しながらひたすら謝っていた。当の姫子はきょとんとしていた。
(本当は姫を囮に曲者を捕らえて突き出すつもりだったが…痴れ者にも姫の高貴な気はわかると言うことか)
 十郎太は納得していた。

 目の前の長身の少女はとても子供と思えない体をしていた。それなのに少女と断言するのは制服をつけていたからだ。
 胸は大きいしヒップは上向きに引き締まり括れは胸や尻以上に『女』を強調していた。
 学校の制服でこれである。もしももう少しタイトな服をつけたら道徳心のある男でも色香に迷わない自信はないだろう(ただ…口を開かなければの話しだが)
 そして元々痴漢目的で乗りこんだ輩達である。こんな上等な獲物を逃すつもりもない。
(なんてエッチな体をした娘だ。そんなに触って欲しいなら望みどおりひぃひぃ言わせてやるぜ)
 まずは背後から尻を触り胸を丹念にいじり腰砕けにしてからその長いスカートを捲り上げて内太ももを撫でまわしてやる…痴漢はそう考えた。そのプランを実行に移した。尻を触ったとき予期していたかのように右手がその手を取る。
「あいたたたたたたたたたたたたたたた。腕が…手首が砕けるぅぅぅぅぅぅぅぅ。ひぃぃぃぃぃぃぃ」
 逆にひぃひぃ言わされていた。誇張ではない。
 何しろ相手の顔面を締め上げて持ち上げることのできる真理の握力である。いくら男の手首でも細い部分。一たまりもない。真理は『悲鳴』を上げる。
「きゃー。痴漢よォ。だれかぁ」
(真理ちゃん…もうちょっとちゃんとお芝居しようよ…)
 同乗していた七瀬が突っ込むほど下手な芝居だった。全く情感がこもってない。一方やられた痴漢は手首を抑えて情感たっぷりに悲鳴を上げていた。
「腕が…腕がぁぁぁぁぁ。ひぃぃぃひぃぃ」
「うるさいなぁ。口を閉じなよ」
 真理は今度は顔面をわしづかみにして天井近くに持ち上げる。これにはほとんどの乗客が驚いた。
(なんてがさつな娘だ。そんなにぶちのめしたいなら望み通りひぃひぃ言っといて貰おう)
 痴漢をしても我関せず。それがこの車両の暗黙の了解だったが今回ばかしは助けを求められても「我関せず」であった。
「さぁて。静かになったところで駅員さんに話を聞いてもらおうかな」
 顔面をつかんだまま引きずって行く。いつのまにか痴漢はおとなしくなっていた。

 時間はやや遡る。無限塾に忍び込んだのぞき魔を警察に引き渡してから作戦を練っていた。みずきが説明する。
「その車両じゃ痴漢が黙認されているんだろ。もしも女が騒いでもみんな無視するわけだ。でもその女がとっ捕まえたら」
「確かに…被害者と加害者がワンセットだから痴漢は成立するな」
「ああ。ただやられてからでないといけないが。こっちから打って出ると民間人の逮捕。拘留と言うことになる。あくまで抵抗の一環で叩かないと」
「正義を守るためならあえてこの体。捧げましょう」
「おおー。立派な心がけ」
「そして恐らく…痴漢を黙認するのが暗黙の了解なら反対に助けるかと言うとそれは考えにくい」
「警察が介入できないなら女自身の手で痴漢をどうにかしないといけないのよ」
(『のよ』って…みずきったら…痴漢憎しのあまり言葉遣いまでなりきるほど女の心理状態ね。でも確かに痴漢は許せないわ)
 こうして自らを囮としての痴漢撲滅作戦が開始された。そして強力な援軍も控えていた。

 再び車両内。幾人も撃退されてざわついていた。
(どう言う…ことだ? これは…)
(ひるむな。たまたまだ。おっ。子供っぽいが芯の強そうな娘。こんな女を泣き顔にしてみたいぜ)
 痴漢はその少女の背後に近寄る。まずは揺れに乗じて手が触れた形で尻に触る。
 もし大騒ぎしても揺れのせいにして逃れるつもりだから軽くだ。電子タッチパネルに触れるがごとく軽く触れた。その瞬間だ。娘がすばやく振り向いた。ビシッと痴漢の顔に右手の人差し指を向ける。
「あなた! 痴漢ですね!!」
「え!?(いくらなんでも反応が早すぎるぞ。どんな女でもこれくらいで振り向いたりしない。もしかして自意識過剰な女を選んじまったかぁ?)」
「痴漢。すなわち悪。悪はこの麻神久子が成敗してくれましょう」
 例によって久子は話しを聞いてない。痴漢は慌てて言い逃れをするが
「ちょ…ちょっと…成敗って」
「問答無用」
 久子の体が神気によって浮上する。そのまま回転しながら前方へ突っ込む砲弾と化す。
「平和主義者クラッシャー」
「ぎにゃあああああああっ」
「うっぎゃあああああああ」
「どっげぇぇぇぇぇぇぇぇ」
 どうせ乗り合わせている男はみんな痴漢だからと、周囲すべてをまきこむ大技で蹴散らした。

 それでもこりない痴漢たちである。姫子も真理も久子も退場している。もちろん油断を誘う為で降りた降りして別の車両にいるだけである。
(ただ真理だけは本当に「痴漢の被害者」と言うことで駅で事情を説明していた)
(く…くそっ。ここで屈したら負けだっ。なんとしても女を…だがまだあんな奴らがいないとも限らない。もっと気の弱そうなのを…いた。このおかっぱ頭なら…)
 痴漢は揺れたのを利用してボブカットの少女に抱きついた。
「きゃっ」
 高めの可愛い声で小さな悲鳴を上げる。
(これだよこれ。こう言う反応こそ痴漢冥利に尽きると言うものよ)
 じーんとした。だが満足したのは一瞬。次の瞬間ギョッとなる。
「う…ぐ…う…」
 美少女なのだがそれが既にべそをかいている。
「あぅ…あうっ…ぅぅぅぅぅぅぅぅ」
(ちょ…ちょっと待てよ!? いくらなんでもそんなに泣くにはまだ早いぞ。何もしてないだろう。そんな…)
「……チカン…嫌ですぅぅぅぅぅぅぅぅ」
 みなみは電車の車両だと言うのに、足の間に腰を下ろす女の子の座りかたでしゃがみこみ号泣する。
「そ…そんな…お嬢ちゃん。泣かないでくれ…さすがに罪悪感が」
 両者ともに芝居ではない。痴漢なのだがここまで大泣きされては罪悪感も芽生えようと言うもの。
 そしてみなみもそれを誘うための芝居で泣く本気で泣いている。
 作戦には参加していたのだがいつ痴漢に触られるかと極端に緊張していた。だから痴漢を叩き伏せる計画だったが本番で泣き出してしまったのだ。
 もっともこちらのほうが堪えたようである。痴漢は精神的に追い詰められてきた。
「自首させてくれぇぇぇぇぇぇぇ。罪の…罪の意識がぁぁぁぁぁ」
 自分から駅で自首してしまった。

 それでもやると言うことは性質が悪いと言えよう。いいかげん無限塾の女子生徒は狙わない方がよいのだが意地になっていた。
(この娘なら普通そうだな)
 抱き着いて胸を触る…と言うか揉む。だが少女はぴくりとも反応しない。
(なんだぁ。不感症か。それとも…やっと当たりか)
 だが少女が振り向いた。
「うふ」
 にっこりと人懐こい笑みを投げかける。あまりに邪気のない顔に痴漢もつい毒気を抜かれる。
「あ…どーも」
 思わず笑みを返してしまった。少女が痴漢の腕を優しくとった次の瞬間…投げ飛ばされていた。
「ぐえっ」
 投げ飛ばした少女。谷和原友恵はにこっと笑い
「あらあら。だらしないですね。このくらいで伸びてしまうなんて」
さらりときついことを言っていた。

 今回の作戦にはのぞき魔の件に麻神久子がかかわった関係もあり、正義クラブの3人娘も協力していた。
 久子は『痴漢などと言う卑劣な輩は許せません。全員に正義の鉄槌を下します』
 友恵は『まじんちゃんが行くのでしたお供いたしますわ。それに私の可愛い可愛いまじんちゃんに汚らしい男の手が触れるなんて我慢できませんし』
 みなみは『あの…私もやるんですか…』乗り気ではなかったが『正義のため』とつきあわされた。
 だがみずきと綾那にしてみれば報復の色が濃い。
 そして偶然。その相手がいた。

(さぁ。さっさと触ってきやがれ。その瞬間に半殺しにしてやる。来い。来やがれ)
 復讐に燃えるみずきはぎらぎらとした瞳で電車に乗っていた。殺気と呼んでも良い。
 当然だがそんな女に近寄る痴漢もない。だが綾那はそれほどではなかったためかまた狙われた。そして手はず通りにその手を捻りあげる。
「いてててててててて。離せ。離しやがれ」
「いけないんだよっ。嫌がる女の子に触ったら」
 優位に立ったせいか説教口調の綾那。その顔を見て痴漢が叫ぶ。
「あーっっっ。お前はあのときのつるぺた娘」
 そしてその痴漢の顔を見てみずきも叫ぶ。
「あーっっっっ。てめーはおれにあの地獄の屈辱を味合わせた痴漢野郎」
 なんということか。綾那とみずきに痴漢行為を働いた人物は同一人物であったのだ。
「てんめぇぇぇぇぇよくもおれにあんなことを」
「ん〜なんの事かな。ふふふ」
「すっとぼけやがって。だが若葉に対してやったのは認めた形だな。口が滑ったようだな」
「うっ」
 確かにこれは失言だった。みずきは痴漢を扉に追い詰める。当然開けば逃げられるが今度は追いかけられる。取り押さえて駅員を呼ぶ。だが
「何をするんだ。俺があんたやそのつるぺた娘に痴漢をしたって言う証拠があるのか? 確かにそのつるぺた娘が痴漢にあっているのを見てみぬふりをしていたから、ばつが悪くて逃げ出したが」
 こう言われると嘘は見え見えでも駅員には手が出せない。実際にこの場ではみずきは痴漢にあってないし綾那にしても軽く触れた程度。
「ふぅん…証拠がなければいいのね?」
 とても本当は男とは思えない妖艶な…そして冷たい笑みをみずきは浮かべると痴漢にしなだれかかる。
「だったらおじさま。あたしといいことして遊びましょ」
 なにかあるのは見え見えなのだが、そのみずきの胸の弾力ある感触が男の本能に働きかけて逃げるのを遅らせた。そして…袋叩き。
「ぎにゃあああああああああ」
 みずき。綾那。久子。友恵。七瀬で猛烈に痴漢をぼこぼこにする。駅員…井之上は慌てて止めに掛かる。
「ちょ…ちょっと。正統防衛でもないのにそんなことしたら傷害罪に…」
「もうおせぇぜ。訴えてやる。この怪我…ケガ? あんなに痛い目にあっているのに怪我してない。服も無事だ」
「確かに…集団暴行に見えたのに」
 井之上も目をぱちくりさせていた。
 もちろん本当に袋叩きにしているが止める寸前に七瀬が肉体も衣類も修復している。つまり…表面的には被害は被ってない形だ。
「え〜暴行なんてひどいですぅ。あたし達じゃれてただけですよぉ」
 ことさら舌足らずにみずきがぶりっ子で言う。
「確かに…怪我もしてないのではなんとも」
「ちょっとまてや。被害者である俺が暴行されたと言ってんのに証拠がないからって…はっ!?」
「そうねぇ…証拠がなければ仕方ないわよねぇ」
 マリオネット能力の事はさておき、気の済むまで殴り倒される事は感覚で理解でき青くなる痴漢。
「は…はわわわわっ…助けてくれ。そんな…俺が悪かった」
「だーめ。女の子の体に触っておいてただで済むと思ったら大間違いよ」
(みずきったらすっかり女の子になりきっちゃって…)
「受けなさい。正義の裁きを」
 そして再び『じゃれあい』が始まった。駅員にはどうしようもない。もっともこれで痴漢がいなくなれば助かるのも本音であえて邪魔もしないが建前で構内放送はする。
『お客さまにお願いいたします。構内での乱闘は他のお客さまのご迷惑となりますからおやめください』
「うぉーっアタイも混ぜろーっっっ」
 遅れて来た真理も参戦する。井之上は自棄気味に叫ぶ。
『そこの金髪のお嬢さん。駈け込み乱闘は危険ですからやめてください
 もちろん誰もやめやしない。痴漢にとっての無限地獄は続く。

 余談。しばらくこの列車では痴漢発生率が異様なほど低かった。
 さらに女子高生の被害は皆無だったのは、この件で痴漢達が恐れをなしたのが理由なのは言うまでもない。

次回予告

 期末試験終了。夏休み前の試験休みに突入。勉強漬けだった一同は遊びに出る。
 一方これまたストレス発散の為に白昼堂々殺しをするために斑は変装して町を行く。
 そして運命の遭遇。男の瑞樹と変装した斑。互いに教室で毎日顔をあわせる存在とは知らずに死闘を繰り広げる。
 次回PanicPanic第12話「死闘」
 クールでないとやっていけない。ホットでないとやってられない。

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