第30話「本当の私」Part3   Part2へ戻る

「もう。しっかりしなさいよ」
 仮に「ダンシングクィーン」が人一人を抱える力があるとしても、生徒たちの見ている前でみずきに空中浮遊をさせるわけにはいかない。
 一般人にはマリオネットが見えないため、みずきだけが浮き上がって見える。
 実際にはそんなパワーはなく、いいところ本体の七瀬の補助程度であろう。
 それなら自身が担いだように見せかければいいが、それは「かよわい乙女」としてはやりたくなかった。
 だからなんとかしてみずきの気つけをする。
「う…あ…七瀬? あ! あの不良は?」
「帰ったわよ」
 言われて安堵の表情。そして涙目のみずき。
「あーん。怖かったぁ」
 がばっと抱きつく。
「ちょ…ちょっと」
 人前での抱擁に顔が赤くなる七瀬。だがみずきはあくまで「女の子同士のじゃれ付き」と言う表情だ。
(…一体…なにがみずきをここまで女の子にしたの…)

 教室に戻ってくる二人を見ていた一同だが思案顔に。
「さて。あの様子じゃ相当になりきっている様子。どうしたものでござるか」
「簡単だよ。心にダイレクトに接触すれば一発さ。アタイが目を覚まさせてあの気持ち悪いオカマをやめさせてやる」
 真理が右手をかざして自信満々に言う。

 やがて甲高い声で騒ぎながらみずき達が戻ってきた。
「ひどいじゃないの。七瀬。どうしてあんな野蛮な人の前にあたしを連れて行くのよ?」
 七瀬は弁解もしない。打ちひしがれていた。確かに…みずきが少女の人格になってしまった。それがはっきりしたから。
「赤星。大丈夫だったか?」
 普段の真理ならまず言わない台詞。だが常態ではないみずきは不思議に思わなかった。
「ありがとう。真理ちゃん。かすり傷だったみたい」
「どれ? 見せてみろ」
 これこそ最近では言わないせりふ。どんな負傷も七瀬が治してしまうのだから。
 目的はみずきの体に接触すること。傷を見るふりなら不自然ではない。

 みずきのぷにっとした丸く柔らかい頬に真理の手が触れる。
 マリオネットマスター以外には見えない茨がみずきの頬に繋がる。心を覗いているのだ。だが
「うわっ」
 真理が慌ててのけぞった。
「どうなさいましたの? 真理さん」
 姫子が尋ねると荒い息で理由を言う。
「こ…こいつの頭の中。お花畑でドレスの赤星が『白馬の王子様』を待っている…そんなイメージを見た」
「まぁ。ステキですわ」
「ホントだね。ボクも憧れているんだ」
 はっきりいえばこの二人も他の人間と思考回路が違う。参考になりにくい。
「女って…そういうものじゃないのか?」
 榊原が言う。
「たまには夢見るけど、年中そんなことばかり考えてられないわよ。榊原君」
(たまにはあるのかよ…)
 心中で突っ込む真理だが、とりあえず自分の言いたいことは言ってくれたので黙っている。
「僕もそういうものかと?」
「拙者も」
「……あんたらも『その他大勢』とは考え方違うからな。でも女遊びしている人間(榊原のこと。教室なのでぼかした)がそれを言うくらいじゃ『男がイメージする女の心』ってそんなもんか?」
「だとすると…あれは赤星なりの女性像か?」
 ニコニコと微笑んでいるみずきを見る。
「…もう一度見るか…」
 再び真理はみずきの頬に触れる。そしてガマンしてお花畑を通過して心の奥底へ。
 だが固く閉ざされた扉がなんとしても開かない。
「ダメだ…どうしても入り込めない」
 真理が断念するほど頑なであった。

 二時間目が体育だった。ソフトボールだった。
「じゃみずき。いつもどおりね」
 みずきの定番ポジションはホットコーナー・サードだった。
 いつもの気の強いみずきなら向いていたが、今のみずきは『か弱い乙女』。打球処理などできるはずもなかった。今も
「サードッ」
「きゃーっっっっ」
 ハーフライナーを頭を抱えてしゃがんでしまうくらいだから始末に悪い。打った綾那がきょとんとしているくらいだ。
「こらーっ。みずき。なにやってんのよっ」
 いつもなら怒鳴られるショートの女子がここぞとばかりに怒鳴り返す。
「だってぇ…怖いんだもん…」
 涙目で訴えるみずきに頭痛を起こすクラスメイトの女子たち。
「……今のあいつ見てるといらいらしてくる」
 真理がバットを振り回しながらネクストバッターサークル。
「いらいらするなら首をぐりんと回して『あ゛〜〜〜』と」
 上条恒例のボケも無視して入る。当の上条は打席へ。
(やっぱこういうときは…ベタだけど頭の打ちなおしだよな。赤星はサードだし。三塁クロスプレイになれば…)
 意識した上条は外角の球を流し打ちする。狙いはライト前ヒット。俊足の綾那なら三塁到達がありえる。
 ところがライト前ではなくてライト線になってしまった。たまらないのが守備側だ。
 いくら重いソフトボールでも男子のパワー。まして地味かつテクニックを要する「右打ち」なんて頭になかった。
 事実ライトも引っ張りを考えてセンターよりに守っていた。
 結果としてファウルラインを超えてボールが転々と。こうなると綾那も長躯ホームインせざるを得ない。クロスプレイどころではなかった。
(あ…あれ?)
 思惑が狂って戸惑う上条。一塁ベースにとどまるから味方からブーイング。
 ランナーの綾那はソフトボールの離塁禁止ルールもあるし、打球をライトが捕球する可能性を考えれば、一塁ハーフウェイで様子を見ているのも当然。
 だがバッターランナーの上条は走るのみ。この局面、最低でも二塁は陥れないといけない場面。だからブーイングされていた。しかしお構いなしで次の手を考える上条。
(こうなったら僕が…)

 果たして真理の打球はセンター前へ。定石なら二塁どまりだが上条は『暴走』した。
 むしろ守備側が混乱したがとにかく三塁へ。クロスプレイどころからアウトにされに行くようなものである。だがこれを待っていた。
(三塁を陥れるための走塁なら多少の無茶はオッケーだろ)
 走りながら彼はどこからともなくトランプを出して「Kick」「Thunder」「Mach」と自分でコールして最後に
 「Lightning Sonic」と口走り、あげく
 「うぇぇぇぇぇぇーいぃぃぃ」
ジャンプしてとび蹴り。みずきの待ち構えるサードへと突入。
「え? え? え?」
 戸惑うみずきを他所に突撃。激しくもつれ合う二人。したたかに頭を打ちつけるみずき。
 (やった。少々荒っぽいがこれで元に…)
 ところが予想外。みずきは体は起こすがその場で座り込む。足と足の間にお尻を落とす「ぺったんこずわり」そして
「う…う…うう…」
 嗚咽を漏らす。
「ひどい…ひどいよ…上条くん。あたし、女の子なのにこんなラフプレイを…」
 めそめそ泣き出した。
「な…なんだ。この赤星の反応。予想外。血管ぴくぴくで激怒するかと思いきや、めそめそ泣き出すとは…怒るより…逆に不気味な物があるぜ」
 パニックになるとボケる性質はここでも。そして女子に囲まれる。
「予想外はあんたよ。上条くん」
「なんてひどいことすんのよ。女の子相手に」
「大丈夫だった? みずき」
「うん…」
「謝りなさいよ。みずきに」
 しくんだラフプレイも不発。事情を知らない女子の間の評判を落としたにとどまった上条だった。

 体育から教室へ戻る最中。男士達の会話。
「しっかし…今日の赤星。可愛いと思わない?」
「思う思う」
「あの顔。あの声。そしてあの胸。俺、前からもうちょっと女らしくすればいいのにと思ってたんだよね」
「今日は何があったか知らないが可愛いよな」
「休んでたのは熱じゃなくてしつけなおされていたとか」

 同じころ女子。
「それにしても何よ。今日のみずき。ぶりっ子もいいとこ」
「やな感じよね」
「ちょっと可愛いからってさ」
 可愛い外見と学力の高さ。男子にはアイドルでも女子には疎まれているみずきである。
 今まではさっぱりした気性が好印象をもたれていたが、この日は「女を利用して見えた」ため印象が悪化していた。

 昼食時間。小さな弁当をちまちまと食べるみずき。
 普段ならさっさと食べて校庭に出てしまうのだが、この日はとにかく「とろかった」。何しろ姫子といい勝負。
(しかしここまで女になりきってるとは)
 マリオネットでのないしょ話。真理がみずき以外に。
(うーん。じゃボクも試してみるー)
(あんたが?)
 ないしょ話をしているのに思わず怪訝な表情の真理。
「どうしたの? 真理ちゃん。突然そんな表情して?」
 何の会話もないのにいきなり怪訝な表情をされれば、みずきが不思議に思っても変じゃない。
「ああ。なんでもない。なんでも」
 とりあえずごまかす。
「ねぇ。みーちゃん」
「なぁに? 綾那ちゃん」
 優しくにっこりと微笑む。面食らう一同だが綾那はマイペース。
「次の数学。当たるみたいだけどここわかんないのー。教えてくれる?」
 教科書を差し出す。
(なるほど)
 いつもだと理解の遅い綾那に、みずきが切れてくる。それを意図的に狙ったと判断した。ところが
「じゃあ教えるわよ。ここはね」
 丁寧に、そして辛抱強く教えていた。母親が赤ん坊に言葉を教えるように。やがて
「わかったぁ。ありがとうみーちゃん」
「よかったわぁ。これで授業もばっちりね」
「うんっ!」
(数学教わってどうするよ。しかもますます女らしくなってきてるし)
(丁寧に教えることで母性本能に目覚めたのでしょうか?)
(みずき…)
 不安に駆られる七瀬であった。

 五時間目は科学。実験のため理科室へ移動。みんな一緒である。踊場で十郎太が小声でつぶやく。
「仕方ない。いささか荒っぽいが…悪く思うな!」
 いうなりみずきを階段から思い切り突き飛ばした。
「きゃ?…きゃあああああああっ」
「みずきっ!?」
 驚くみずきと七瀬たち。だが突き飛ばした本人が後から追い、空中でキャッチ。無事に着地した。
「驚かせてすまぬ。だが、何か思い出さぬか?」
 ある種のショック療法を試みたのだ。
「あの…その…」
 赤い顔のみずき。興奮状態か?
「風間君…恥ずかしいです…男の子に抱きしめられていて…」
 そう。目的は驚かすことで落とすことではない十郎太は、空中でみずきをしっかりと捕らえていた。
 強く強く抱きしめて…しかも胸と胸を重ねている形。むしろ十郎太が慌てた。
「す…すまぬ。左様なつもりではござらん。ただ…」
 女性に対する免疫は少ないのかその感触に戸惑う。そして
「……風間君のエッチ!」
 頬を染めたみずきが言うからたまらない。
「ご…誤解でござる。拙者はおぬしを治そうと…」
 珍しくうろたえた態度。戦闘は一流でもこの手のことには弱かった。
 姫子の存在もあろうが。そしてその姫子の言葉。
「どうして…そんなに慌てているんですの? みずきさんは男の子。例え十郎太様と抱擁なさっても、気になりませんわ」
 それで救われた。
「もう。姫ちゃん。あたし女の子だってば。そりゃこの前まで『オレは男だ』なんて言い張ってたから仕方ないけど」
 頬を膨らませるみずき。知らない人間が見たら可愛く見えるだろう。
「あくまでも女の子と仰るのですね?」
「そうよ。姫ちゃん」
「判りました。それでしたらどれほど女らしいか見せていただきましょう」
 姫子には珍しく挑発的なものの言い方になる。

 放課後。授業は全て終了して、部活の時間。この日は姫子の所属する茶道部の活動がある日だった。
 「お待たせいたしました」
 見学と言う形のみずき達は制服姿だが、部員である姫子たちは和服姿だった。
「うわぁ。姫ちゃん可愛い」
 セーラー服姿の綾那がまったく裏表なく言う。なんどみても姫子には和服の方がしっくり来ていた。
「キモノが絡むとあんたは人並み程度の着替えスピードになるな」
 おっとり…と言うかトロイ姫子だが、着替えが特に凄まじかった。ちなみに次にトロイのは食事。
「もうしわけありません」
 とろさを侘びる姫子。
「ああ。いいって。さぁ。はじめるんだろ?」
「はい」

 姫子は楽にしていいといったのだが『郷に入っては郷に従え』と、みんな正座だった。
 さすがに十郎太は苦もなく座る。ぴしっと背筋を伸ばし膝をあわせたきちんとした姿勢だ。
 意外にも榊原もきちんと出来ている。
 七瀬もちゃんとしてはいるがややつらそう。
 上条は膝まではそろえられず、開いた状態。綾那はいわゆるぺったんこずわり。
 真理にいたっては三秒でアウト。ロングとは言えどスカートなのに胡坐である。
 そしてみずきはきちんとしていた。背筋を伸ばして凛とした雰囲気。
「なんだよ。あんただって苦手だったはずなのに」
「女の子は体の構造から言って正座には強いのよ」
 得意げに言うみずき。あくまで可愛らしく。

 時間が経ち、お茶の準備が出来た。
「どうぞ」
 姫子から差し出されたお茶を受けたみずきは丁寧に受け取ると、細やかな仕草で礼儀正しくお茶を飲んだ。
 その場の誰もが感嘆するほどの『女らしさ』だった。
(言葉ではウソはつけても…こういうところの仕草ではウソはつけませんわ。今のみずきさんは心から女性なのですね)
 みずきを男の心に戻すのが失敗…と言うよりもあらためて心から女になりきっていると認識した。

 下校。最後尾で他愛もない話をするみずきと七瀬と綾那。
 だがこれは前方の『作戦会議』を聞かれないためだ。
「一体なんだってここまで女になりきっちゃったんだ?」
 まずは基本的な疑問を真理が言う。
「ある意味で記憶喪失なのかな? 男であることを忘れたとか。ああして女の体があれば自分を女と思い込んでも不思議はないかも」
「腑に落ちないのはこの『女らしさ』だ。なんでいきなりあんなにしおらしくなるんだ?」
「むしろ…女になろうとしているでござるか?」
「だとしたら男でいることが嫌になったのかもな。あるいは男に戻ろうとするのに疲れて、諦めて女としてやってく決意を固めたとか」
「それじゃ七瀬はどうなんだよ? あいつが赤星を好きなのは丸わかりだぞ。いや…相思相愛なのは」
「意識してああ振舞っているわけじゃないと思うよ。なんかの理由でアイツの女の部分が表に現れたんじゃないか?
どんな男にも少しは女性的な部分はあるし、どんな女でも多少は男っぽいところがある。
 ましてやアイツは半分は女の体だし。普通の男より『女の部分』が強くても不思議はない。
 だったら『男の部分』を刺激してやればいい」
「それでしたらいろいろしてますわ」
「いいや。一つ試してない」
 そこまで言うと榊原は立ち止まり全員に向かって言う。
「赤星。特にこの後で用事がなければうちに来ないか?」
「良いわよ。でも…」
「安心しろ。家族もいるし、みんなも来る。良いだろ」
「ああ。別に良いが」
「わたくしも異存はございませんわ。一緒に来ていただけますか? 十郎太様」
「御意」
 全員で榊原の自宅に出向くことになった。

 新宿区にある榊原の実家は三階建てのビルだった。一階は医院。二階から三階が榊原家の居住だった。
「ただいま」
「お帰り和彦。おや。お友達か?」
 はたから見ると歳が離れて見えない親子。和彦が老けてて、父親が若い。いや。顔が固定されていると言うべきか。
 たぶん榊原もある年齢からは若く見られだすのだろう。
「お邪魔します」
 七瀬に続いてみんな礼をする。
「いらっしゃい。何のお構いも出来ないが、ゆっくりしてらっしゃい」
 にこやかに言う。この医者になら体を預けられるかな…とみんな思った。

「おかえり。和彦。あら? 友達?」
「姉貴…なんでこんなに早く家にいるんだよ?」
 切れ長の鋭い目つきの美人。丸メガネが共通している。榊原の姉。涼子である。
「気分が乗らないから自主休講。ところであなたたち。避妊具は持ってる?」
「はい?」
 一瞬何を言われたかわからない少女たち。
「こいつ(和彦)と一緒に狭い部屋にいたら妊娠しちゃうわよ」
「姉貴。邪魔だからあっち行ってろよ」
 無理やり追い払い自室へと

「うっ?」
 部屋に入るなり顔をしかめる一同。榊原は理解して窓を開ける。
「榊原くぅん…タバコくさい…」
 鼻をつまみながら綾那が。
「ああ。悪い悪い」
「榊原。君、医者がお父さんなのによく止められないね」
 上条の父は警察官だけに厳しい。
「俺の親父はそこら辺はアバウトなんだ。さて。適当に座ってくれ」
 六畳間に机とベッド。歳よりは落ち着いているが、タバコくささを除けばいづらい部屋ではない。
「それじゃ作戦開始と行くか。赤星の『男』を刺激する」
 彼はDVDプレイヤーを作動させると一枚のディスクを入れる。

 赤くなって俯いている七瀬。両手で顔を覆っている姫子。後ろを向いて耳を塞いでいるみずき。
 画面では裸の女が甲高い声を上げながらもだえていた。
「アダルトビデオ程度でも男の部分の刺激にはなるはずだ…って。こら。ちゃんとこっち見ろよ。赤星」
「いやです。榊原君のエッチ。変態。女の子にこんなのを見せるなんて」
「意外とカップルで見たりするもんだって。ほら。若葉を見ろよ」
 興味しんしんで見ていた。
「上条くん。上条くん。あれは何してるの? うっわぁ〜そんなことまで…すっごぉい」
 実際、どこまで理解しているかは疑問だが。
「あたしは嫌です。止めてください」
「そうだ。止めやがれ」
 男に免疫がない真理が耳まで赤くして言う。
「おっと。今の俺の頭の中はエロで満載。体に触れると(ガンズンローゼスを通じて)それが流れ込むが…いいのかなぁ?」
「くっ…卑怯な…」
 だが意外なる仕置き人が扉を開けて乱入。
「和彦。あんた女の子たちになんて物を見せているのっ」
「姉貴?! しまった。ヘッドホンじゃなかった…」
 後悔したときは遅い。涼子はあっという間に背後を取り羽交い絞め。そのまま和彦は床に投げつけれた。
「ぐえっ」
 失神する榊原。手をはたいて体勢を直す涼子。
「ふんっ。成敗完了」
 そして怯える一同に向き直ると笑顔になって、
「ごめんなさいね。このバカが。気を悪くしないでね」
「いや…あの…姉弟げんかでドラゴンスープレックスはどうかと…」
 呆気にとられる一同。そしてDVDは止められた。
「ほら。お嬢ちゃん。恥ずかしいものはもうないから。泣き止みなさい」
「ありがとう…ございます。あたしもう、恥ずかしく…」
 この反応はどう見ても男のそれではない。いや。純女でもここまではしない。

「こりゃ…僕たちじゃ手に負えないかも…」
 上条の言葉は全員の意見だった。
(そんな…みずき…)
 七瀬の焦燥はますますつのる。

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