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 「!!」

 バイクの後ろに荷物をくくりつけて走り出そうとした青年は突然感じた感覚に戸惑いを覚えた。
 (この感じ、アンノウンではない……だけど)
 青年はその感じが何なのか、どこから感じるのかを探ろうとしたのだが、しばらくするとその感覚は消えていった。
 「気のせい……なのかな?」
 首を傾げる青年。だが一抹の不安が頭の中をよぎる。
 「まあいい、とにかく行こう。みんなが待ってる」
 津上翔一……親しい者からそう呼ばれている青年はそう言ってバイクを発進させた。
 彼が向かうべき目的地へ、そして正体不明の感覚を感じた方角へ向けて……



Masked Riders !!

第二章 Masked Rider

作:ライターマン


 一条たちを襲おうとした怪物たちは五代が変身した未確認生命体第4号=戦士クウガの姿にその歩みを止めた。
 そしてそのうちの2体がクウガに向かって襲い掛かってきた。
 クウガは最初に襲い掛かってきた怪物の腕を掴んで脚を払って倒すともう一体の方にまわし蹴りを放つ。
 怪物は腕を覆う装甲のようなものでその蹴りを受けて2、3歩後退する。
 そして別の一体がクウガを捕まえようと前に進み出た。それに対しクウガは落ちていた木の棒を取って構えた。

 「超変身!!」

 するとクウガの姿が変化し、目が紫色になり装甲をさらに強化した戦士の姿になった。
 手にしていた棒は大きな剣へと変化しクウガはその剣を怪物に向かって突き出した。剣は怪物の胸の装甲を易々と突き破って深く突き刺さる!!
 先ほどクウガに倒された怪物が起き上がって殴りかかる……が、頑丈な装甲に覆われたクウガにはびくともしない。
 クウガがさらに「超変身!!」と叫ぶと今度は青色の目と装甲の、身軽な感じの戦士の姿に変化した。
 剣になっていた棒が今度は身の丈より少し長いロッドへと変化する。
 クウガは怪物をロッドで再び脚を払って倒すと装甲のない腹部にロッドの先端部を打ち込んだ!!
 2体の怪物は光に包まれ爆発した。


 クウガは3体の怪物を倒した。……が、目の前には9体の怪物が今にもクウガや一条たちに襲い掛かろうとしていた。
 その時、
 「失礼、ちょっとこいつを預かってくれるかな?」
 そう言って自称カメラマンの男が持っていたカメラを北条に預けると無造作ともいえる動きで前に出た。
 「い、一体、何を?」
 我に返った北条が男に質問する。
 「いやなに。彼、なかなかやるようだけど、あの数を相手にするのはちょっと大変そうだから手伝わせてもらおうと思ってね」
 軽い口調で言ったその内容に北条と一条は驚き、一条は彼を止めようと叫ぶ。
 「いけません!! こいつらの相手は普通の人間には無理です!! あなたは早く逃げてください!!」
 だが男はにやりと笑いながら振り返る。
 「心配ご無用。俺は普通の人間とはちょっと違うからね。それに人の命を平気で奪うこいつらみたいな悪党を倒すのが俺たちの使命でね。逃げ出す訳にはいかないさ」
 そう言って男は怪物の方に向き直ると手を開いた状態で両腕を水平状態に右方向へと伸ばし、回転させながら真上へと移動させる。
 そして……

 「変身!!」

 という言葉とともに握り拳を作り、左肘を直角に曲げて左拳を真上に向け、右の拳を左肩の前に移動して構える。

 「とおうっ!!」

 男は空中高くジャンプする。それは普通の人間では考えられないくらい高く、その身体の中心部からスパークらしきものが見えた。
 そして男はクウガの前に降り立った!!
 突然の乱入者に怪物たちは驚きつつも、そのうちの一体が男に殴りかかろうとする。……が、男は一歩前に進み左腕で相手の攻撃を受ける。
 そして……

 「ライダァァァ――パアァァァンチ!!」

 叫びとともに渾身の力で突き出した右拳に怪物は10メートル以上後方へ文字どおり吹き飛んだ!!
 怪物は悶絶し直後に爆発四散した。


 「あなたは……一体?」
 クウガが呆然とした感じで呟く。一条や北条にいたっては言葉も出てこない。
 男はゆっくりとした動作で立ち上がる。

 「……正義の使者」

 そう言って振り返った男の姿は一変していた。
 赤い目と思われる部分と腰のベルトが最初のクウガの姿と似ていなくもない。……がその他の部分は全く違う。
 首の部分に真紅のマフラー、黒と緑の中間色ともいえるボディに装甲は全くといっていいほどなく、唯一胸の部分が相手の攻撃から防御するためか分厚くなっている。
 男はさらに言葉を続ける。

 「そして……人類の味方……俺の名は……仮面ライダー!!

 「仮面……」「ライダー……」
 男が返信した異形の姿に一条と北条は呆然としてその名前を口にした。


 「いくぞっ!!」「は、はいっ!!」
 仮面ライダーはクウガに向かって叫ぶとクウガは慌てて返事を返し、二人は怪物たちに向かってダッシュした。
 「とうっ、とうっ」
 仮面ライダーが怪物の一体に殴りかかる。
 そしてクウガは背後に回り込んで仮面ライダーに襲いかかろうとする怪物の足元ををロッドでなぎ払う。

 とおうっ……ライダァァァ――キイィィィック!!」「おおおりゃああぁぁぁ――っ!!」

 空中高くジャンプした仮面ライダーが放った高度からの必殺の飛び蹴りが殴りかかった相手の怪物に炸裂する。と同時にクウガがなぎ払った怪物にロッドの先端を打ち込む!!
 2体の怪物はほぼ同時に爆発した。


 続いて一体の怪物が仮面ライダーに向かってダッシュする。
 身構える仮面ライダー。だが、怪物は少し手前でジャンプすると烏のような翼を広げて空中を飛行する。そして背後から仮面ライダーやクウガに襲いかかろうとする。
 「一条さん!!」
 クウガが一条に向かって叫ぶ。その意図をすぐに察して一条が頷く。
 「五代!!」空中を飛行する怪物が自分から最も離れるタイミングを見計らって一条は手にしていた拳銃をクウガに向かって投げる。

 「超変身!!」

 ロッドを放り捨て銃を受け取ったクウガが叫ぶ。
 すると今度は緑色の目と装甲の戦士の姿に変わり、手にしていた拳銃が瞬時にボウガンのような形に変形した。
 クウガがボウガンの後部のグリップを引っ張ると銃口からヒュウッと空気を吸い込む音がした。
 そして空中の標的に狙いをつけ引き金を引く。
 ドウッという轟音とともに高圧空気とともに発射されたエネルギーは狙い違わず怪物の身体に命中し、怪物は地面に落下した後、光に包まれて爆発した。



 「他にもまだこの付近に潜んでいるかも知れん。早くここの事を周囲に知らせるんだ」
 仮面ライダーのこの声に一条と北条がハッとなる。
 「お願いします」
 という一条の言葉に北条は頷きパトカーに向かって駆け出した。
 パトカーに辿り着き北条は無線のマイクをONにすると本部や付近のパトカーに向かって呼びかける。

 「こちら警戒パトロール中の警視庁の北条。先程通報のあったキャンプ場で謎の生命体と遭遇。付近のパトカーとGトレーラーは警戒せよ。なお、現在こちらでは未確認生命体第4号と仮面ライダーと名乗る人物が謎の生命体と交戦中。繰り返す。こちら……」



 北条の申請により活動を再開したG3−XはGトレーラーに搭載され県境を越えて群馬県に入ったところだった。
 そこへ北条から発信された無線連絡が飛び込む。
 「未確認生命体第4号!? 第4号が再び現れたというんですか?」
 生死不明とされていた第4号出現の報に驚きの声を上げる氷川誠(ひかわ・まこと)。しかし無線連絡は中継されたものであり、確かめる事は出来なかった。
 そして氷川は無線連絡にあったもう一つの名前に首を傾げる。
 「仮面ライダー……って一体何者なんでしょう?」
 「確か昔……叔父さんから聞いたことがあったと思います。そういう名前の正義の味方がいたって」
 答えたのはコンピュータ端末の前に座っていた尾室隆弘(おむろ・たかひろ)だった。
 彼はG5システムの装着員訓練センターの教官をしていたが、氷川と同様に召集を受けてGトレーラーに乗り込んでいたのだった。
 「正義の味方?」「ええ、単なる都市伝説だと思ったんですけど。確か聞いた話では……ええっと何だったかな?」
 氷川の問いに首をひねって思い出そうとする尾室。するとG3−Xの整備を行なっていた人物から答えが返ってきた。
 「ハハハハハ……確か『闇にうごめく悪を倒し世界の平和を守るため、仮面に素顔を隠して人知れず戦う正義の戦士』。そんなところじゃないかな?」
 「教授?」
 氷川に声をかけられ、教授と言われた人物は整備の手を止め立ち上がった。
 それは知性的な顔に笑顔を浮かべ、50代とは思えぬ頑丈そうな体格の持ち主の男であった。



 その頃、クウガと仮面ライダーはキャンプ場に現われた怪物のほぼ全てを倒しつつあった。
 「おおりゃああぁぁぁ――っ!!」
 赤色の姿になったクウガが気合とともに放ったキックにより怪物がまた倒され、残るは熊を思わせる怪物一体のみとなった。
 しかし、
 「くっ、こいつ……素早い」
 他の怪物と比べて分厚い体格と装甲のこの怪物は意外にも怪物たちの中で最も素早かった。
 クウガは防戦一方になりながらも何とか攻撃をかいくぐり、怪物の腹部にキックを放った。
 キックが当たった部分から光が広がる……が、怪物が身体に力を入れると光は小さくなり消えていった。
 「うっ……せめて金の力が使えれば……」
 クウガがうめきながら呟く。
 金の力、それはクウガが4年前未確認生命体と戦っている過程で獲得した力である。
 普段変身している赤、青、緑、紫の姿に金の力を上乗せすることにより。その能力は飛躍的に向上する。
 目の前の怪物も金の力を使えば装甲ごと破壊して倒せる筈であった……が、現在のクウガはその力が使える程に回復してはいなかった。
 そこに仮面ライダーが近づきクウガに声をかける。
 「君、俺が今から奴の装甲を破壊する。そうしたらさっきのキックを思いっきり奴に叩き込むんだ」
 「破壊って……どうやって?」
 だが仮面ライダーはそれに答えず怪物に向かって突進する。
 怪物の動きを読みながら攻撃を受け流し、パンチを出しては相手の動きを止める。
 その攻撃は巧みではあるがそれ程ダメージは与えられていない。
 しかしクウガは仮面ライダーの言葉を信じ、腰を少し落として両腕を下に向けて広げて構え右足に力を溜め込む。
 仮面ライダーは後ろに少し下がると空中高くジャンプする。
 「とおうっ!!」
 仮面ライダーは怪物の頭上を通過して背後へと飛んでいく。
 怪物は背後からの攻撃を警戒するために後ろを振り向いた。
 だがしかし、その頃既に仮面ライダーは地面に着地する前に背後の森の木の幹を蹴る事により反転し怪物への攻撃態勢に入っていた。
 空中で回転しながらひねりを加え、スクリュー状態となった仮面ライダーのキックが怪物に炸裂する!!

 「ライダァァァ――反転卍(まんじ)キイィィィック!!」

 この一撃にさしもの怪物も装甲を破壊されて吹っ飛んだ。
 そしてクウガが怪物に向かってダッシュする。右足にエネルギーが蓄えられ熱くなったクウガは怪物の少し手前の地点でジャンプした。

 「おおおりゃああぁぁぁ――っ!!」

 空中で回転し、渾身の力で放ったキックはダメージを受けて苦しむ怪物にヒットし、怪物の体に光が広がっていく。
 そして光が怪物の全身を覆った時、怪物の身体は轟音とともに爆発した。



 戦いが終わり、クウガは変身を解いて五代雄介の姿に戻った。
 そしてやはり変身を解いて先程の自称カメラマンの男の姿に戻った仮面ライダーが近づいてきた。
 「お見事。なかなかやるじゃないか」
 そう言って男は笑顔で五代の肩を叩く。
 そこに一条が近づいてくる。一条は男に訊ねてみた。
 「あなたは……一体何者なんです?」
 男は真剣な表情になり、五代と一条を見つめながら口を開く。
 「俺の名前は一文字隼人(いちもんじ・はやと)。またの名を仮面ライダー第2号」
 「その……仮面ライダーというは?」
 一条の言葉に男はフッと微笑み、そして語り始めた。
 「仮面ライダー、それは……」


 仮面ライダー、それは悪と戦い人間の自由と平和のために戦う正義の戦士。
 彼らは様々な事情によりその身に通常の人ではあり得ない力を宿す事になった。
 そして彼らは怒りや悲しみを素顔とともに仮面に隠し、人類をおびやかす悪の組織や存在に対して戦いを挑んだ。
 賞賛を受ける事はなく、支援もほとんどない孤独な戦い。
 それでも彼らは戦い続けた。
 いろんな場所で一生懸命に生きている人々が好きだから。人間の自由と平和がもたらす、すばらしい未来を信じているから……



 「仮面ライダー……そのような人たちがいたなんて……まるで未確認生命体第4号やアギトみたいですね」
 走行中のGトレーラー内で教授から仮面ライダーについての話を聞き、氷川誠はそう言った。
 「アギト……人類の無限の可能性を示す力で人々の居場所を守るために戦った者たちだったね。それに沢渡君から聞いた超古代の戦士クウガの意思を継ぎ、人々の笑顔を守るために戦った未確認生命体第4号。確かに彼らも仮面ライダーと言えるのかもしれないな」
 そう言って頷く教授。
 その時、通信機のブザーが鳴り尾室がヘッドホンに耳を当てる。
 「はい、こちらG3−Xトレーラー、尾室です。……え? ……なんですって!? ……そんな」
 通信を聞いた御室の表情が突然強張り、見る見るうちに蒼褪めていった。



 少し前、警察に山間のとある集落から通報の電話が入っていた。
 どうも得体の知れない者が山の中にいるらしい、とのことだった。
 その集落では一昨日から飼っている犬が吼え続け、熊や猪が出没するようになった。
 そしてその日、仕掛けていた罠に熊が入っているのを村人が発見した。
 ただし、罠にかかり檻の中に閉じ込められていた熊は死んでいた。……檻ごと身体を切り裂かれて。
 通報を受けた警察は状況から未確認生命体の可能性もあると考え、群馬県に入ったばかりのG5ユニットの1小隊を現場に派遣し付近住民の一時避難を指示した。


 やがて一台のGトレーラーが通報のあった集落に到着した。
 「ただいま現場に到着。フォワード各員は装甲服を到着。直ちに行動を開始せよ」「「了解」」
 トレーラー内で待機していた3名のフォワード要員がバックアップ要員の補助によりG5の装甲服を装着していく。
 G5ユニットは大量配備が可能なように「誰でも扱える」事を前提に設計されている。そのため装甲服1体の戦闘能力はG3−Xに比べてかなり落ちる。
 絶大な力を誇るがゆえに反動も並大抵ではないGX−05のような重火器を扱うことは出来ず、携行する武器はGM−01やGK−06等の扱いやすいものばかりである。
 それ故に単独で行動することはまずない。
 通常3人のフォワードが未知なる敵を包囲殲滅するために行動する。
 フォワードにはそれぞれバックアップ要員がついており、それらを指揮する小隊長とトレーラー運転手を含めた8名で小隊を構成して行動し、G5ユニットは正式にはこの小隊の事を指している。
 1台のGトレーラーに3体分の装甲服や装備および人員を収納するためG3およびG3−Xで使われたガードチェイサーも標準装備からは外されている。


 やがてトレーラーの扉が開き、装着を終えたフォワードが次々と降りていく。
 そして装甲服およびトレーラーのセンサーからの情報を使い警戒しながら森の中へと入っていく。
 「赤外線センサーに反応。数約1体!!」
 一人のフォワードの報告によりその情報が他のフォワードに伝えられ、3人のフォワードが周りを取り囲むように移動する。
 やがて蟻に似た怪物がその姿を現した。
 「目標確認」「了解、GM−01アクティブ」
 バックアップの操作によりGM−01が使用可能になる。
 フォワードはGM−01を撃ちながら包囲網を狭めていた。このまま殲滅が出来ると思われていたのだが……
 「背後より接近中の反応あり? うわあぁぁぁ――っ!!」
 突然フォワードの一人が絶叫を上げた。
 それを聞いた2人のフォワードが絶叫がした方を見るとそこに立っていたはずのフォワードは装甲を切り裂かれて倒れており、代わりに別の怪物が立っていた。
 その姿はなんとなく蟹に似ており、右手の部分が先の尖った鋏状になっていた。
 「くそっ!!」
 フォワードの一人が叫びながらGM−01を撃つ。しかし、甲羅のような装甲に弾かれてしまいダメージを与えられない。
 そして横からトカゲに似た怪物が現れ、鞭のような物を伸ばしてGM−01を叩き落した。
 「そ、そんな……」
 フォワードの二人は恐怖に震えた。
 彼らにとって未知なる敵との戦いは今回が始めて、しかも今までは多対1のフォーメーションを基本に訓練を行ってきたのに、今や立場は完全に逆転していた。
 「ギャアァァァ――ッ!!」
 森の中に叫び声がこだました。


 「G5−031状況を報告せよ、G5−031応答せよ!!」
 Gトレーラー内部はパニックに陥り騒然としていた。
 警察が対未確認生命体用の装備として開発したG5、その3体との交信が突然途絶えたのだ。
 バックアップ要員が通信機で何度も呼びかけるが応答はない。
 やがて小隊長が静かに言った。
 「ひとまずこの場から撤退する」「隊長!?」
 その言葉に全員が驚き、一人が抗議の声をあげた。
 「彼らを見捨てる気ですか?」
 「止むを得ん。フォワードのいない現状では戦うことも彼らを捜す事も出来ない。……残念だが一度ここから離れて装備と人員を再度整えるしか方法がない」
 搾り出すような隊長の言葉に全員が黙る。
 隊長として部下を置き去りにしてその場を離れるというのは無念であり、悩みぬいた上での苦汁の決断だった。
 しかし……その決断は少し遅すぎた。
 発進しようとしたGトレーラーは突然前方に現れたいくつもの影に進路を遮られた。


 1時間後、警官隊が現場に駆けつけたとき彼らが目にしたもの。それは誰もいない集落、物音一つしない森、そして……無残にも破壊されたGトレーラーと血まみれになって息絶えた仲間の姿だった!!



 G5ユニット小隊全滅!!
 その報は氷川たちが乗るGトレーラーの中に大きな衝撃をもたらした。
 「赤城……水原……萩島…………畜生っ!!」
 犠牲になった隊員たちの名前を呼びながら涙を流す尾室、犠牲になったのは彼の教え子たちだった。悔しさがこみ上げ涙が溢れてきた。
 「すぐに現場に向かいましょう!!」
 そう主張する氷川だったのだが教授はそれを制して言った。
 「待て、状況から見て奴らは別の場所へ移動したと見るべきだ。いたずらに動かず、まずは居場所を突き止めるのが先だろう。それよりも心配なのは……」
 そのとき、突然Gトレーラーが急ブレーキをかけて停止し、会話は中断した。
 「運転席、どうしたんです一体?」
 氷川がマイクで運転席のドライバーに説明を求める。しかし返答はなく、代わりに運転席からの非常用出入口からドライバーが転がり込んできた。
 「し、進路上に謎の生物が現れて!!」
 驚く一同。そして後部の扉が激しい勢いで叩かれ始めた。


 「氷川君、早く装着を!!」「は、はいっ!!」
 教授の声に氷川が装着を開始する。
 氷川はインナー着け、尾室の補助により装甲部分を装着していく。
 「それにしても奴らはどうしてこのトレーラーを?」
 「恐らく……先ほどの件で攻撃を受けた奴らはGトレーラーを敵として認識し、攻撃対象としたのだろう。」
 装着途中の氷川が口にした疑問に教授が答えた。
 そして胸部の装甲を装着しようとしたとき、扉が開かれ怪物たちが侵入してきた!!
 「しまった!!」
 氷川が叫ぶ。
 バッテリーパックが付いている胸部装甲の装着が完了していない今、氷川はまだ動くことが出来ない。
 このままでは怪物にやられてしまう。


 そのとき、教授が端末を素早く操作した。

 GM−01 Active

 画面にメッセージが表示され、ガードチェイサーからGM−01が姿を現す。
 教授はすぐに駆け寄りGM−01を掴むと怪物に向け発射した!!

 ガンガンガンガンガンッ!!

 最初に侵入してきた怪物はその攻撃に退いていった。
 次に蟹に似た怪物が現れ再び侵入しようとした。
 教授は再びGM−01を撃つが怪物の装甲に弾かれてしまう。が、教授は冷静に装甲のない部分を狙って連射してこの怪物の侵入も撃退した。


 「そんな……GM−01を生身で……しかも連射するなんて」
 装着を終えた氷川のG3−Xが呆然と呟きながら教授に近寄った。
 G3−XやG5では標準装備のGM−01だが普通の人間が扱うには威力が大きすぎる。
 以前に氷川も生身の状態で撃ったことがあるのだが、そのときは発射の反動で身体が吹っ飛び負傷した。普通なら誰でもそうなる筈なのだ。
 しかし、そのGM−01を撃った教授は撃った姿勢から微動だにせず、ダメージを受けた様子もない。
 教授はGM−01をG3−Xに渡すと微笑みながら言った。
 「俺は改造人間だ。このくらいのことは出来るさ」
 その言葉にG3−Xは驚く。
 改造人間、つまり肉体の改造により強化された人間。人間以上の力を持った……
 「まさか……まさかあなたは?」
 「そう、俺もまた正義と平和、人々の幸せを守る使命を持つ者……仮面ライダー!!
 「仮面……ライダー。しかし、仮面ライダーはさっき……」
 「仮面ライダーは一人ではない。俺は本郷猛、仮面ライダー第1号だ!!」


 「とうっ」
 教授……本郷はトレーラーから飛び降り、続いてG3−Xも飛び降りた。
 怪物たちは本郷とG3−Xに襲い掛かるがG3−Xは敵の攻撃を受け止めてGM−01やガードアクセラーで攻撃し、本郷は攻撃を巧みによけつつ身構えた。
 そして本郷の右手が左斜め方向に伸ばされる。

 「ライダー」

 右手を回転させ頭上から右斜め前へと移動し、そして

 「変身!!」

 という叫びとともに右手を握って腰に当て、左手を右斜め方向に伸ばした。

 「とおうっ!!」

 本郷は空中高くジャンプし、着地したときには変身を完了していた。
 その姿はクウガと共に戦った仮面ライダーとほぼ同じだった。ただ、一文字が変身した仮面ライダーがボディや手足の両側に1本の線が入っていたのに対し、こちらは2本線である。
 「いくぞ、氷川君!!」
 「は、はいっ!!」
 本郷=1号ライダーとG3−Xは共にGトレーラーを背にして、怪物たちへの戦いを開始した。

(つづく)


おことわり

この物語はフィクションです。劇中に出てくる人物、団体名は全て架空の物で実在の物とは何の関係もありません。
また、これは二次創作ですので本編および原作者、製作会社とも何の関係もありません。



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