PanicPanic
特別編

〜菜珠樹誕生秘話〜

 深夜の寝室。
 いまだに女のままのみずき。
 ベッドに腰掛ける七瀬にしなだれかかっている。
 こうしてみるとほんとに生粋の女性にしか思えない。
「なんだか思い出しちゃって。菜珠樹の時の事」
 どことなく潤んだ瞳。色っぽい顔で七瀬を見上げる。
「そうだな。あの時は大変だったよ」
 なぜか男言葉の七瀬は、みずきを見つめる。
 そして二人は語りだす。
 二人目の子供を授かったときのことを。

 長男・水瀬が生まれて数年後。
「二人目」を作りにかかったその夜のこと。

 それも佳境に入る。
 もう頭の中がともに真っ白になったときに、その声は流れ込んできた。

(ホントウニ…カワッテクレルノ?)

(え?)
 ふたりともそれが聞こえていた。
 だが瑞樹は射出。七瀬もやや遅れて達したためそれは意識から消えた。
 二人は「行った」ことで意識が薄らいでいた。

(ああ。なんか今日はいつもと感じが違うな。とにかく深い。上も下もわからないほどふわふわしている。こんな感じ。知ろうと思えば知れそうだが、知らなかった感じというか)
『瑞樹』はそんなことを思っていた。
 やがて感覚が戻ってくると「のしかかる重さ」に気が付く。
(あれ? いつの間に下になっていたんだ?)
 騎乗位という体位はしたことがある。
 その時に似ているが何かが違う。
(胸…重い? え?)
 のろのろと手を動かして胸を触る。膨らんでいる。
(なんで? なんでオレ、いつの間に女になってた?)
 違和感がまだある。それも最大のものが。
(そ…それにこの股間。まさかこれって)
 やっと目を開けて自身の下腹部に目を向ける。
 つながっていた。
 正確に言うと「突っ込まれていた」。
(え? えっ? ええーっ?)
 やっとここで顔の正面に目を向けると、瑞樹を見ている瑞樹がいた。
「ど、どうして私がいるの?」
 どうやらこちらはいち早く醒めて、そして驚いていたらしい。
「お前…もしかして七瀬か?」
「それじゃやっぱり瑞樹なの?」
「まさかこれって…うぶっ」
 怪現象によるものなのか吐き気を催した。

 新宿の病院。
 その診療室に『みずき』と「七瀬」
 「七瀬」を診察する医者。榊原和彦は高校時代の親友で、そして瑞樹の体質を知るものだった。
 だからここに来た。
 そしてもう一人。金髪の女性がその場にいた。
 彼女は独身時代に村上真理と名乗っていた。
 やはり高校時代の親友で、榊原和彦の妻。
 その金髪は染めたものではなく、ハーフゆえの物だ。
「間違いないよ。こっちが七瀬だ」
 彼女にも特殊能力がある。
 名称は「ガンズン・ローゼス」
 その名の通りバラの茨が相手に絡みつき、心と心をつなげて思考を読み取らせる。
「つまり…肉体と魂が赤星と及川で入れ替わったということか?」
「そう…なるのかな?」
 瑞樹の魂を宿す七瀬…ナナセはいう。
「似ていたのよ。高校時代にも一時的に入れ替わったけどその時と」
 七瀬の魂の入り込んだみずき…ミズキが続く。
「そのせいかな…なんか気持ち悪い。吐き気もする」
「あー。いや。俺も専門じゃないので断定できんから親父に代わってもらうが…なぁ」
 珍しく困ったように和彦は真理に話を振る。
「うん。さっき見たけどたぶん間違いないよ」
 真理のほうは確信している。

 別の診察のため榊原の父にも診てもらった事実はナナセに衝撃を見舞った。

「うん。おめでたですね」

「え?」
 にわかには信じられない。耳を疑う言葉。
「だから妊娠しているんですよ。二か月くらいかな」
「オレが…妊娠? 二か月?」
 普通の男が言われることの絶対にない言葉を言われたナナセは気が遠くなった。
「やっぱり」
 自分の肉体だからよくわかるし、一度経験しているミズキは理解していた。
「オレの中に赤ん坊が…」
 ナナセは危うくまた気絶するところであった。

 再び榊原たちと。今度は休診時間を利用してである。
「それにしてもまた…どうしてこんなことに?」
 旧友だけにフランクな言葉になる榊原。
「そ、それはその…」
 いくら夫婦なら当然のこととはいえ言えず、赤面してもじもじするナナセ。
 それがかわいくてとっくに悟っているにもかかわらずサドっ気で尋ねる。
「何をしていたのかな? それとも『ナニ』をしていたのかな?」
『何』と『ナニ』で発音が違う。
 かぁーっと赤くなるナナセとミズキ。
「いい加減にしろ。このバカ親父」
 真理の『ガンズン・ローゼス』が瞬時に榊原の首に巻きつき、彼を絞首刑に処した。
「あっ。父ちゃんまた怒られている」
「今朝に続いて二度目だね」
 母親を呼びに来たらしい長女。ゆかりと長男の真彦が囃し立てる。
 卒業して結婚して人の親になっても、学生時代とやることは変わってなかった。

 実は榊原もマリオネットマスターだが、その能力は予知能力がメイン。
 ゆえに二人の肉体と魂を正常に戻すことはできない。
 ほかにこんなことを相談できる相手はいない。
 医院を後にして帰途に就く二人。
 現在は新宿駅のホームで電車待ちだ。

 スーパーでも緊張を強いられる。
 本来の七瀬がどんなふうにふるまっているのかまるで分らない。
 交友関係なども不明だ。
 誰に話しかけられるかと不安だった。
 帰宅するとくたくたになったナナセであった。

 そして夜。
 すぐにでも元に戻ろうと、通常時より勇んでベッドインしたが、やはり妨害にでもあっているかのように吐き気に見舞われる。
 そのうちにその夜は諦めた。

 翌日。ミズキはちゃっかり女に変身していた。
 そしてウエイトレスとしてふるまっていた。
(あんにゃろ…)
 人に妊娠した体を押し付けて、なおかつ24時間を女性として過ごさざるを得ない状況になっている身としては、本来の性別に戻っているのが妬ましかった。

 一方のミズキ。
 いつもと違って見えた。
 それはそうだ。普段は「本来男のみずき」が「男の思考」で「可愛い女」を演じている。
 それが今は「もともとの女」がやっているのだ。
 やはり男と女で認識も違う。
 ただ客の立場としたら「可愛さのタイプ」が違っただけだったが。

 通常でもみずきが瑞穂としてウエイトレスを務め、七瀬がカウンターの中でコーヒーを淹れている光景は珍しくないため誰も疑わない。
 それをわかっているのと、自分のところでリラックスをしていた…のだが
「よっ。久しぶり」
(なんでこんな時に来るのよーっ)
 ミズキの中の七瀬は知り合いの来訪に心中で悲鳴を上げる。
「いやぁ。ちょっと時間とれたし近くに来たから、どうしているかなと思って寄ってみた」
「ふらふらしていていいの?」
「大丈夫。この程度はランチタイムみたいなもんだ。社のほうも了解済み」
「社」といったがこれは方便。
「署」というと何かと面倒だからだ。
 背広を着た彼は警察官。いわゆる刑事だ。
 長からず短からずの髪。背は高い部類に入る。
 比較的特徴のない顔だが、口を開くと一気に『濃く』なる。
 カウンターの中の「七瀬」に話しかける。

「いやぁ。それにしてもめでたい。またニャル子さんをテレビで見られるとはな」

 彼の名は上条明。
 瑞樹と七瀬の高校時代の友人で、現在も続く重度のオタクだ。
「そっちかよ! 正月じゃなくて」
 見事な「突っ込み」だった。
「おいおい。相変わらず切れているツッコミじゃないか。赤星…あれ? 奥さんの方?」
 みずきが半分女というのは彼も知っている。
 つまり女性をみずきと思っても当然なのである。
 ただよく見たら七瀬だったので混乱した。
「おっかしいなぁー。赤星のほうだと思ったんだが」
「……」
 内心冷や汗だらだらのナナセ。
「まさかっ、チャリオッツレクイエムが暴走して入れ替わった?」
 言うまでもなく、単なる「ネタ」である。
 しかしそれがまさにズバリ核心をついてきた。
 ましてや仕事が警察官。洞察力は並みの人よりあるはずである。
 そして柔軟すぎる発想力。見抜かれても不思議はない。
(ヤバい。どうしよう。いや。上条なら打ち明けてもいいかもしれないが、それにしてもこんなところでは…)
 ナナセは内心パニックに陥っていた。
 そこに救いの神が。
「あっれぇーっ? どうしてここに来るとわかったの?」
 小柄な女性が女の子を連れてやってきた。
「おー。綾那。明那もきたのか」
 こちらはさほど珍しくはない。
 上条の妻。綾那と娘・明那。
 たまに遊びに来ていた。
 高校時代。若葉綾那という名前だった時、頻繁に髪型を変えても基本はおさげだった。
 三十三歳である現在は「ツインテール」だった、
 百五十センチにも満たない身長と甲高い声。
 そして幼顔がそれでもおかしくない髪型にしていた。
 ちなみに娘もである。母娘でお揃いである。
 それを認識した上条が両手を縮め、それからアルファベッドのXの状態に思い切り伸ばす。
「ツインテ、キターッ」
「店でやるな…やらないで。上条君」
 素で怒鳴りかけたナナセだが「七瀬」らしくやわらかく言い直した。
「いやぁ。ついね。それに今はフォーゼじゃなくてウィザード。魔法使いがモチーフのライダーだしね」
「ごめん…そのあたりわかんない」
 絶好調の上条に引き気味のナナセ。
 高校時代は毎日のようにこれを食らっていたが、それぞれ結婚してたまに会うだけの関係になっていたため久しぶりにオタネタの直撃を受けた。
「あれあれ? 男の子いるのに見てないのかい?」
 もちろん水瀬のことを指している。
 水瀬の変身体質は知っているが、男子が基本であるのも知っているからの発言である。
(うーん。いつもなら歓迎なんだが、今回は早く帰ってくれないかなぁ)
 しかしその願いはむなしく。
 もともと綾那の来訪も食事が目的であったため、そのまま上条一家で食事をしていった。
 会話からこの場で入れ替わりがばれて、話題になるのではとひやひやだった。

 結局は一時間ほど滞在。
 上条のほうは食べてすぐ職務に戻ったが、綾那は長居していた。

「つ、疲れた」
 夜になってへたばるナナセ。
 しかしまだ倒れるわけにはいかない。子供が腹を空かせている。夕食を作らないといけない。
(七瀬はこれを毎日か。水瀬がお腹にいたときもしていたな)
 これは動いていた方が気もまぎれるというのが理由。
(とりあえず今はオレが七瀬だ)
「母親」を演じることを思い出した。

 一か月が過ぎ二月になった。
 ナナセ。妊娠三か月。
 店を任せて役所にあるものを受け取りに来た。
「はい。赤星七瀬さん。母子手帳ですよ」
「はぁ……」
 七瀬がかつて役所で母子手帳をもらった時は神妙な表情だったが、ナナセがもらった時は複雑な表情だった。
(なんで男のオレが妊婦の証みたいなこれを…)
「見て。妊婦の証」
(ん?)
 渋面のナナセの横で笑顔の女性が、傍らの男性に母子手帳を見せていた。
 単純に考えて夫婦であろう。
(何がそんなに嬉しいんだ?)
 七瀬の肉体に封じられた瑞樹の魂が思案する。
「おー。これがそうかぁ。つまり俺も父親なんだなぁ」
 こちらはまだ「同じ男」としてわからなくはない。
 自分も同じことを考えた。
「でしょ? お母さんになれると認められた気がするのよ」
 そういうものなのか? ナナセはよくわからない。
「そのせいか最近、お前いい表情するよな」
「妊婦はみんないい表情しているでしょ? あたしもなってみてやっと理解したわ。このお腹の中に愛する人の子供を宿していると思うと、自然に誇らしい気持ちになるのよ」
 そういわれると確かに凛とした表情の妊婦は多い。
 そして誇らしげでもあった。
(確かに大仕事だとは思ったけど)
 どうしてもぴんと来ないのは本来は男である故か。
「頼むぜ。いい子を産んでくれ」
「ええ」
 若い夫婦は役所から去っていく。
 少し膨らんだお腹をなでてナナセは思う。
(愛する人の子供を宿す誇り…おぼろげにわかる気がしてきたのは、今のオレが妊婦だからかな?)
 しかし別のことに気が付く。
(いやいや待て待て。そもそもこれ「仕込んだ」のはオレじゃないか。自分で仕込んで自分で腹を重たくしているのか? でもまて。卵子のほうは七瀬の物だし、そういう意味では愛する人の子供というのは間違いじゃないのか…)
 訳が分からなくなり、考えをやめて帰途に就く。

 桜もそろそろつぼみが出てくる三月。
 ナナセ。妊娠四か月。
 だいぶふっくらとしてきて、お腹もやや目立ち始める。
「あっ」
 ナナセは明るい声を出す。
「赤ちゃん今、蹴ったわ」
 いとしそうにお腹をなでる。

 ミズキの心配は的中していた。
 妊婦としての二か月間で精神的にもすっかり女性化してしまったのである。
 もともと高校時代は三年生の一学期以外は大半を女子で通した上に高2からは「女子であること」を受け入れたため積極的に可愛い服を着てたり、化粧もしていた。
 きれいな高めの声に合わせて、優しげな女性的な言葉遣いを心掛けていた時期があった。
 つまり下地は十分だった。
 それがさらにこうして妊娠生活を送り、そして対外的には七瀬としてふるまっている。
 その上に喫茶店という客商売だ。
 なおさら言葉に気を付ける。
 内と外から寄ってたかって『瑞樹』の魂を女にしようとしている。

「やーん。元気な男の子かしら。でも二人目は女の子がいいわね」
 以前からの「ぶりっ子」の傾向に拍車が掛かっている。
 それを苦々しく見ているミズキだ。

 このころになるとつわりも沈静化。
 吐き気を催すこともほとんどなくなっていた。
「妨害」をしていたそれがなくなった。
 つまり、元に戻るチャンスが来た。

 さりげなく夕食の時に切り出してみた。
 ちなみにミズキは女のまま。
 だから女が女に「やろう」と言い出している。
「うーん。でもなんかその気分じゃなくて」
 つわりで忘れていたが本来のみずきからしたら、男に貫かれるのは抵抗がある。
 いや。むしろ抵抗がないほうが怖い。
 何しろ女の肉体を持っているのだ。
 相手さえ見つければロスト・バージンもたやすい。

「気分じゃないって」
 ここでミズキは自身の経験を思い出す。
(あっ。そういえば私自身も妊娠中は性欲がなかったわ。本で読んだけど増す人もいるらしいけど、私はだめな方みたい。それだと乗り気じゃないのはもっともだわ)

 どうやってナナセとベッドインしようかと考えていたが、そんな考えも当人の発言で吹っ飛ぶ。
「私……このまま赤ちゃん産みたい」
「ええっ?」
 仰天して当然だ。
 まだ半年以上ある妊娠期間。
 そして身を裂くような出産の痛み。
 ともに男なら一生知らないですむはずのものだ。
 それをどんな酔狂なのかわざわざ味わいたいと。
 ある意味では「あきれて」声が出てこない。
「ごめんね。その間この体を借りちゃうけど」
「そ、そうよ。その体は私のよ。早く返して」
 全くの本音だから気持ちの入り方も違う。
 悲痛な叫びである。

「私ね、高校時代はほとんど女の子だったじゃない」
 ナナセは語りだした。
「学校の内でも外でも女の子として扱われて。服なんか当たり前に女性用を着ていたし、お化粧だってしていたわ。そんな風に色々と女の子としての経験はしてきたけれど、これはなかったわ」
 大きくなったお腹を愛しそうに撫でる。
 とても優しい女性的な表情だ。
 魂が男とは思えない。

「一人目の子はあなたが生んだ」
 ちらりとその一人目。水瀬を見る。
「大人の話」が分からなくてつまらなそうに食事をしている。
 その頭をナナセは撫でて話を続ける。
「その時の喜びは私にもあるけど、お腹を痛めたあなたは尚更だったと思うの。でも生みの苦しみは私にはわからない」
 話が見えてきた。
「お願い。私にそれをやらせて。そうすればあなたの苦しみや喜び。すべて理解できると思うの」

 その立場にならないとわからないことは多い。
 本来なら性別によるものは諦めるしかないが、みずきはその壁を越えている。
 そしてさらに絶対に女性にしかできない大仕事を経験しようとしている。

 「七瀬」は深い感銘を受けた。
(止めたい。けど私を理解しようとしてくれている。これは止められない)
 目を閉じて逡巡する。やがて心か決まった。
「覚悟は、あるのね?」
 脅しではない。人ひとり生み出そうというのだ。
「覚悟」がなくてはできまい。
 ナナセはうなずいた。
「……覚悟なんてかっこいいものじゃないわ。ただ、このおなかの赤ちゃんが可愛いの。この子が私を女に引き留めているの。やがてお母さんにしてくれるの」
 その表情は世の妊婦と同じ凛としたものだった。
「わかった。それならこっちも覚悟を決める」
「?」
 その場は食事を済ませたが…

 三月ではまだ寒く、風呂場も湯気が盛大に出ている。
 しかしそれは久しぶりに見る光景。
 ミズキは女の姿を維持するため風呂は四十度以下で済ませていた。
 いくら三月で浴室が寒いと言えこの湯気では四十度以上はありそうだ。
「それって…」
 戸惑うナナセの前で桶にお湯を汲んだミズキ。
 それを頭上に掲げあげる。
「これは私…いや。『俺』の覚悟だ」
 頭からお湯をかぶる。
 その体質通り男の姿になる。
 七瀬の魂としたら『変身』した気持ちだ。
「いいよぉ。無理しなくてもぉ」
「無理? だったらあなたは何? 妊娠や出産に比べたら男になるくらい」
 言葉の出ないナナセ。
「ふふ。やはり『夫』のサポートがないとね。それにいい加減に水瀬にも父親を返してあげないと」
「あ…あなた」
 妊娠という女性しかできないことをしているからか、自然に「夫」を「あなた」と呼ぶナナセ。
 照れくさくなってミズキは湯船につかる。
「あー。いい気持ち。しばらくぬるま湯だったから熱いお湯が気持ちいいや」
「うふふふ。もう」
 その場はそれでおしまいだったが…

 定休日。一家で買い物に。
 しかし長袖シャツにズボンという姿のミズキが落ち着かない。
 しきりに胸元や肩を触っている。
「どうしたのよ? いったい」
 もともとの「七瀬」の趣味でジャンパースカートは多いが、この場はマタニティドレスの代わりのように着ているナナセが言う。
「いや…ノーブラが落ち着かなくて」
「男はブラジャーしませんっ」
 思わず突っ込みを入れるナナセ。
「あんただって高校時代は毎日つけていたでしょうに」
「あのときは女の子だったもーん」
 嘘ではない。
「うう。常々ブラジャーはきついし、できることなら外して歩きたいと思っていたけど、実際にノーブラだと物凄く不安だわ」
 ちなみに七瀬は十歳からつけていた。
 四半世紀に近い期間にわたりつけていれば、たしかにつけないと不安になるであろう。

 現在は「赤星七瀬」として産院にも通っているナナセ。
 当然「赤星七瀬」の名で受付したり、呼び出されたりする。
 他にも様々な所で「赤星七瀬」として扱われている。
 段々そう呼ばれるのに抵抗がなくなっていった。

 ミズキのほうも夫を演じているうちに次第に男らしくなっていた。
 本来の瑞樹は信じがたいドジで、何かと水をかぶっていたので学校のないときにも女子化したりもしていた。
 だがしっかり者の七瀬はそんなことはない。
 男の姿をキープしていた。
 そのせいか本来の瑞樹より男の特徴が出始めていた。

 ナナセ。妊娠五か月。
「おとうさん。はやくぅ」
 「お出かけ」というせいか、可愛いワンピースを望み今回は女の子になっているみなせがせかす。
「んー。ちょっと待っててな」
 顎をいじりながらミズキは返答する。
 その顎にシェーバーを当て、ひげを剃り落す。
(化粧しなくていいのは楽だけど、ひげが勝手に伸びるから男も大変だわ。この肉体だと割と薄いけど)
 男ならではの習慣だった。
 一方のナナセもみなせを着替えさせたら自身の着替え。そして化粧だった。
 こちらは元の肉体でも少なからずしていたので、抵抗はない。

 一家そろって出向いたのは、安産祈願のお祈りだった。

 さらに一か月。ナナセ。妊娠六か月。
 やはり一家でデパートに出向いていた。
 妊婦用の下着の購入が目的である。
 近場でも調達できたが、身重ゆえどうしても行動範囲が狭くなる。
 その気分転換も兼ねてデパートだ。

 妊婦にとって転倒は流産につながる重大事故だ。
 それを防ぐためにミズキはナナセの手を取っていた。
 最初は人前で手をつなぐのを恥ずかしがったが、その手をゆだねたナナセ。双方が驚く。
(私の本来の体の手…小柄と思っていたけど意外にしっかりした手なのね)
(オレの本来の手って…こんなに小さくて、柔らかかったんだ。強く握ったら壊れてしまいそうな…男になって初めて知った…)
 それゆえ優しく、そして力強く握った。
 絶対に離さないという思いを込めて。
 妊娠を経験した七瀬の魂がそうさせた。

 その「愛」はつないだ掌からナナセに伝わった。
 だから彼女は素直にゆだねた。
 こちらも夫の力強さを認識した。
 だからもし元に戻れて、そして次の子供を授かったら、もっと優しくしてあげようと瑞樹の魂は思った。

 六月。ナナセ。妊娠七か月。
 マタニティドレスのスカートを大きくなったお腹が持ち上げていた。
 すっかり安定期に入っていた。

 この日は定休日。
 旧友二人の来訪があり、それを迎えていたところだ。
「順調そうで何よりですわ。七瀬さん」
 おろせばまっすぐな黒髪をまとめ上げた、和服の女性が鈴を転がすような声で言う。
「ありがとう。姫ちゃん」
 ナナセは優しげな表情で返礼する。
「赤星。パトーナーのおぬしの支えが大事だぞ」
 おかしな発音の主は鋭い眼光の細身の青年。
「わかっているよ。風間。オレの大事な女房だぜ」
 もうすんなりと男言葉が出るようになったミズキが答える。
 二人の来訪者は夫婦だった。そして赤星夫妻の旧友。
 風間十郎太。姫子夫妻だった。
 実は十郎太が婿養子で本名は「北条十郎太。姫子」なのだがそれぞれの希望で風間と名乗っている。
 知り合った高校生のころから落ち着きのある二人であったのだが、三十路を過ぎ、人の親になったところでさらに落ち着いた。
「わたくしも風姫(ふうき)さんを産んだので妊婦の大変さは分かりますわ。でも七瀬さんも経験者ですから意見は差し出がましいですわね」
(やっぱり…私が七瀬に見えるのね。見た目だけじゃなくて、態度とかも含めた印象で)
 一方「男たち」は
「お主も一度、奥方のお産を経験しておるのだ。今更あわてることもあるまい」
(オレのこと疑いもしないんだな。こっちは別に高校時代から半分男だったわけでもないのに…)
 この時点でミズキは思考の際の言葉遣いも男の物になっている。
 二十四時間を男で通しているのだ。
 体に魂が引っ張られているのはナナセと同じ。

 おっとりしているし世間知らずだが頭の良い姫子と、現代に生きる忍者。十郎太の目をもってしても二人の入れ替わりを見抜けなかった。
 確かに二人は高校時代の入れ替わり騒動には拘っていないからそういう発想に至らなくても無理はない。
 しかしそれでもこの二人に違和感すら抱かせないほど「みずき」は女に。「七瀬」は男になっていた。

 九月上旬。やはりこの日も暑かった。
 ナナセ。妊娠十か月。臨月だ。
 この暑さもあり、またその魂であるみずきは初めての出産ということもあり「産休」に入っていた。
 ごまかしきれなくなり双方の両親に入れ替わりを打ち明けている。
 したがって七瀬の母。虹子も娘の肉体に入っているのがその旦那と分かっていた。
「ごめんなさい。なにもできなくて」
 ナナセはひどい暑さと臨月で動けなくなっていた。
「いいのよ。しかし不思議ね。姿は七瀬なのに中身は旦那様なのね」
「今は妻ですけどぉ」
「それでどうかしら? 実際に妊娠してみて」
 何しろ「妊娠した男」だ。心境は知りたい。
 むろん妊娠経験のない女性も多数いる。
 しかし男はしたくてもできない。
 それがこの現状である。心境も尋ねたくなる。
「頭では大変だとわかっていたつもりですけど、実際にこうしてみないとわかりませんね。それに」
「それに?」
「もともと半分は女でしたけど、今までとは比較にならないくらい自分が女という自覚が」
 うなずけた虹子。確かにこれは女にしかできない。
「今にも生まれ…うっ」
 ナナセは腹を押さえ苦悶の表情を浮かべる。
「これは」
 看護師だった虹子はすぐに車の手配をした。
「う、生まれる…」
 予想通りのセリフが出たころには、すでに別のところに電話をしていた。

 もちろんその「旦那」の両親にも伝えてあり、ナナセ不在の間の喫茶店の手伝いに来ていた。
「すいません。手伝わせて」
 肉体的には親子だが、魂では義父に当たる人物に詫びるミズキ。
「もともとは私の店だ。それに楽隠居にはまだ早い」
 瑞樹の父・秀樹が胸をたたく。その際に電話が鳴る。
「ああ。私が出よう」
 秀樹が電話に出る。ミズキは喫茶店の仕事に戻るが…
「わかりました。伝えます」
 冷静でいて緊迫感のある電話応対の秀樹。
 受話器を置くとミズキにナナセが産気づいたことを知らせた。
 喫茶店を任せてミズキはナナセのもとに。
 車が丁度やってきた。

 結論からいくとまだだ。
 兆候として陣痛が起こったのだか、猛暑による衰弱も頭にあったため病院に搬送した。
 虹子としたら大事な娘の肉体と、婿殿の魂である。
 ベテラン看護師だったとしてもあわててしまう。

 そして出産間近なのは確かなので、ナナセはそのまま入院となった。
 分娩はすでに始まっている。少しずつ『出口』が広がっていたのだ。

 夜。消灯された病室で天井を見つめてナナセは思う。
(中学の時に半分女になって、高2の時にそれを受け入れ、女としていろんなことをしてきたけど、まさかこうしてあたしが赤ちゃんを産むなんて思わなかったわ)
 みずきの肉体は処女である。妊娠するはずもない。
(無事に生まれてくるのかしら。心配だわ。それに「父親」から生まれたなんて知ったら…)
 辛うじて「男の自覚」は残っていたために葛藤になる。
(それよりもなによりも無事に生まれてきてほしい。それが「お母さん」からのお願いよ。おなかの赤ちゃん)
 いつしか眠りに落ちていた。

 翌日。喫茶レッズは定休日で朝からミズキ。水瀬が見舞いに来ていた。
「大丈夫?」
「夫」が問いかける。
「ちょっと寝不足かしら」
 冗談めかした『妻』の返答。
(寝不足は本当だろうな)
 病院ゆえノーメイクのナナセの目の下のクマか雄弁に物語っていた。
 何より自身も経験がある。
 女として生まれた七瀬はいつのころからか『子を産む覚悟』はできていた。
 時が来ればそうなると。
 覚悟していても不安が募る。
 ましてや瑞樹の場合、本来は男。そんな覚悟などしていたはずもない。
 いくら半分は女としてもだ。
 それがいきなり「妊婦」である。
 この一年にもならない期間で、そんな心構えができたかは疑問というより『できているはずがない』と断定。
 不安で当然なのだ。

「大丈夫だ。オレが付いている」
「あなた……」
 ナナセの手を握るミズキ。
「ねぇー。赤ちゃんまだなのぉ」
 六歳の子供には退屈すぎたようだ。
「もうすぐよ。水瀬。あなたはもうすぐお兄ちゃん…お姉ちゃんかしら? とにかくもうすぐよ」
 ベッドを操作して半身を起こす。
「ほら。この中に赤ちゃんがいるのよ。触ってごらんなさい」
 言われた水瀬は恐る恐る膨らんだお腹に手を差し伸べ、そっと触れた。
「赤ちゃん。早く出ておいで」
 子供の無邪気さに癒された。

 まさかその「呼びかけ」が原因でもあるまいがナナセは激しく苦しみだす。
 医師が呼ばれ、その判断で即座に分娩台へと運ばれる。
「オレも立ち会います」
 ミズキが訴える。
「わかりました。奥さんの傍についていてあげてください」
 経験者としてそばに夫がいるのは心強かった。
 だから立ち会うことにした。
 しかしあわててない。これも経験のたまもの。きちんと子供にフォローを入れる。
「水瀬。おじいちゃんたちが来てくれるから、いい子にして待っていろよ」
「うん。赤ちゃん生まれるの?」
「ああ」
 それだけ言うとミズキも処置室へと入った。

 元々が安産体型の七瀬である。
 初めての子である水瀬の時も比較的安産で早かった。
 そして二人目はなおさら早いという。
 だがこの妊婦は出産を経験するのは初めてなのだ。
 まるで野獣のように暴れていた。
「しっかりしろ。オレが付いているぞ」
 ミズキはナナセのその手をしっかりと握りしめる。

 身を裂く痛みに耐えているナナセ。
(痛い。なんて痛みなの。今まで怪我もいっぱいしたけど、そのどれよりも痛いわ。死んじゃう)
 言葉にならない叫びをあげて苦痛を発散させている。
(これが生みの苦しみ。七瀬はこんな思いをして水瀬を産んだのね。あたしもがんばらなくちゃ)
 激痛に耐えていたがその手のぬくもりに気が付いた。
(あの人が付いていてくれている。一人じゃない。あたしとあの人と赤ちゃん)
 魂に性別があるならみずきは魂まで女性化していた。
(頑張って。お母さん頑張るから赤ちゃんも頑張って)

 二時間だと安産のほうに入る。
 とはいえどその間ずっと手を握り、励ましていたミズキも体力を消耗していた。
 だが赤ん坊の一部が見えてきたら疲れを忘れた。
「その調子。もうちょっとだぞ」
 理屈ではなく感覚で励ましていた。

 約三時間後。
 高らかな産声は分娩室の前まで響き感涙を誘った。

 午前11時52分。
 2990グラムの女児出産。
 母子ともに健康。

 落ち着いた頃。ミズキはナナセをねぎらった。
 疲労困憊でベッドに横たわっていた。
「よく頑張ってくれた。ありがとう」
 優しい『男』の顔だった。
「うん…あたし…赤ちゃん産んだのよね。お腹を痛めて生んだのよね」
 首だけを動かして『自分が産んだ子』を見る。
「あたしの子…あたしの産んだ赤ちゃん…」
 出産経験は「みずきの魂」に大きな影響を与えた。

 翌日。母乳を飲ませている時のナナセは、今までのどんな表情よりも女性的で母性的だった。
(瑞樹?)
 ミズキはふと不安になった。
 かつては「まともな男に戻りたい」と願っていたが、出産までした今は「もはや女のままでいい」というつもりではないか?
 それほどまでに女として満ち足りた表情だった。

 退院してからがまた大変だ。
 やることが多すぎて目の回る忙しさだ。
 例え性交渉可能な体でも、とてもではないがそんな状況ではない。
 菜珠樹と命名された長女は時間を問わず頻繁に泣く。
 「振り回される」というのが的確な表現だ。

 そうして三か月が過ぎた。未だにミズキとナナセは入れ替わったままだ。
 そもそもベッドインしていない。
 もう可能であるにもかかわらずだ。
 ミズキのほうも我慢の限界だった。
 性欲を自己処理している時のむなしさ。
 そして肉体に影響されいつしかその際の「おかず」を女性としていた罪悪感に耐えられなくなってきた。

「なあ。そろそろいいんじゃないのか?」
 男になった影響か。ストレートに切り出せるようになったミズキ。
 それに対して困ったような表情のナナセ。
「うん。お医者様は三人目を作ってもいいって言っていたけれど…」
 歯切れが悪い。
「だったら!」
「でも怖いの!」
 予想していた答えだ。
「オレだって同じだよ。自分相手にやるんだぜ。お互い様だ」
「違うの。それよりももっと怖いのは絆を失うこと」
「キズナ?」
 これは考えてなかった。
「うん。だってそうじゃない。この体で菜珠樹を産んだのよ。なのに元に戻ったら『あたしが生んだ』なんて言えないわ」
 ほぼ一年を女性。ましてや大半を妊婦として過ごしたためか、思考法まで女性的になったようだ。
「あたしは胸を張って娘に『あなたを産んだのをこの私』といいたいの。けど…戻ったりしたら」
「ばぁーか」
 こつんと額を小突く。
「お前がお腹を痛めて生んだことには変わりないだろ」
「そうだけど…」
 今一つ納得していない様子のナナセ。
「それにな、それだとオレは水瀬の親じゃないことになるぞ? あんな痛い思いしたのに」
「あ。そっか」
「このままオレたちずっとセックスレスか? ちょっとつらいぞ」
「うーん……」
「だいたいそれだと三人目ができないし」
 何気なく言ったその言葉が殺し文句だった。
「わかったわ。しましょ」
 文字通り『子づくり』する気満々だった。

 水瀬が眠り、菜珠樹もぐずらない。
 二人は一糸まとわぬ姿でベッドに上がった。

 ナナセは一年間。ミズキも男として九か月通した。
 体に引きずられ本来の性別の相手とベッドインする抵抗も薄らいでいた。
 そしてともに「初体験」で燃えていたがそれも佳境に入る。
「「あああああっ」」
 声が重なる。あろうことかほぼ同時に達した。
 ともに頭の中が真っ白になる。

 焦点があったら最初に見えたのは余韻に打ち震える七瀬の顔だった。
 瑞樹は自分の胸板をたたく。
 ぴしゃりと乾いた音がした。
「どうやら…元に戻れたみたいだな」
 こちらも感覚が戻ってきた七瀬。安堵の表情。
 対して瑞樹は失ったような表情だ。

 ベッドに並んで腰掛ける二人。
 脚を開いて座っている七瀬と膝をそろえている瑞樹。
 直前まで七瀬は男として。瑞樹は女として過ごしていたのだ。簡単には戻れない。
 その瑞樹はしきりに股間を気にしている。
「異物」が気になるようだ。
「あ、あのねっ」
 肉体は男だが表情は女そのもの。七瀬は察した。
「水浴びてこいよ」

「はぁー。落ち着いた」
 女に「戻って」来たみずきはリラックスした表情だ。
「お前はすっかり女だな」
 苦笑する七瀬。
「仕方ないじゃない。一年間ずっと女だったのよ。それもお腹に赤ちゃんがいて」
「それだ! 妊娠してみてどうだった?」
 興味本意ではない七瀬の質問。
「うん。素晴らしい日々だった。お腹重いし、体調も変わるし、つわりも大変だったけど、それでも、お腹に赤ちゃんを宿していた日々はとても優しい気持ちになれた。自然と女の自覚が芽生えた。そして女の人がどれだけ大変か身を持って知ったわ」
「そっか」
 男だったなごりか多くを語らない七瀬。

「あたし思うんだけど…もしかしたら入れ替わりは菜珠樹がやったんじゃないかしらって思うの」
「奈珠樹がマリオネットマスター? 確かにオレの能力を受け継いてりゃあり得るけど…でも何のために?」
「きっと…両親にお互いの苦労を分かり合ってほしかったんだと思う。だからあたしはお腹を痛めてあの子を産んだ」
 赤ん坊がいたどころか男を知らない腹をなでる。
「わかりあえたのかな?」
「きっと大丈夫よ。だって出産経験のあるあなたは、あたしに対してとてもよくしてくれたもの。あたしも同じ経験したからできると思う。それにね…」
「それに?」
「女がどれだけ気持ちいいかもわかっちゃった」

 そして元の時代。寝室で当時を思い出していた二人。
「あのときは大変だったのよ。しばらく男言葉が抜けなくて。一か月くらいかかったわ」
 苦笑する七瀬。
「あたしはもう無理だわ。女言葉が抜けない」
 これはあくまで変身中の話。
 男の時は普通に男言葉でしゃべる。
 だがこちらはほぼ一年を女として。しかも大半は妊娠として過ごしていたのだ。
 さらに元々が半分女で女言葉も使っていた。

 七瀬が問う。
「ねぇ。もし私がみんなみたいに変身できて、男に変身する体質だったら、やっぱりしていた?」
「もちろんよ」
 即答だった。
「偽物じゃないのよ。今度はその体で妊娠しているかもしれないのよ」
 生半可な覚悟でできない。つい強い口調になる。
「平気に決まっているじゃない」
 これまた即答だった。
そしてみずきの次の言葉は、七瀬を納得させるものであった。

「だって…体がどちらでも、愛する人の子供を宿すには違いないんですもの」


あとがき

 この作品は2013年冬開催のコミックマーケット85用に出した同人誌。
「城弾シアターR18 ばられる」に収録した作品を半分程度までそぎ落とし、調整したダイジェスト版です。
「R18」という通りにベッドシーンもありますが、そのあたりは当然全面カット。

 本の四割近くを占める作品をベッドシーンだけそぎ落として公開では「買わなくていいや」となりかねないので(笑)パニパニ既読者なら知ってそうなことも省いてと。

「相手の立場に立って見る」というテーマもあるパニパニ。
 みずきは本編中「女の子として」いろんな経験をしました。
 さすがに踏み込めなかった妊娠。出産をこういう形で経験させたかったわけで。
 順序は逆ですが互いに異性としてのベッドインも。

 実は同人誌版ではみずきも「処女喪失」してたりします(ちゅど〜ん)
 あれをそう呼んでいいのかは微妙ですが…そのあたりはぜひ本をお買い求の上で(いともたやすく行われるえげつない宣伝という行為)

 これを公開したのは初めに単純な販促キャンペーン。
 次は正反対の「つかませないため」
 ここまで読んだならお分かりですが七瀬も男性化しています。
 それを嫌う人もいると思うので。
 無料のウェブ版ならまだしも、金出して「つかまされた」のではたまらないだろうから、こうして『こんな話ですよ。それでもよければお買い求めを』と。
 そしてさらにパラレルワールドとはいえど「ここまでやったら」女性としての完成度も上がると思い、組み込みたくて公開しました。

 ちなみに、どうせパラレルだからと、みずきがその肉体で人工授精して「三人目」を妊娠。出産とも考えたのですが、設定上40代後半での初産という「超・高齢出産」だし、さすがにドン引きだろうと思って見送りました。
 その際に生まれた子供は「きずな」と名付けられという落ちで。

 お読みいただきましてありがとうございました。

城弾

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