2013年。4月。
 私立・鳥栖学園。
 創立63年の由緒ある学園だ。
 四月になり、新入生を迎え入れていた。

 その一人、燕裕次郎(つばめゆうじろう)。
 なんだか大物スターのような名前だが、まだあどけなさの残る少年だ。
 身長は160にわずか1センチ届かず。
 女子でもおかしくない背丈だ。
 顔も童顔というより女顔。
 短髪でも丸顔故そう見える。
 声もまだ高い。
 体毛も薄いので女性ホルモンが多めなのかもしない。
 そんなことを考えたこともある。

 この容姿が大のコンプレックスだった。
 この学校の制服。正統派の黒い詰襟の学生服も彼が着ると「女子の男装」に見える。

 現在は放課後で下校中。
 一階でいくつかの部活から勧誘があるが、すべて意中のものではない。 

 彼はいつも考える。
『自分を変えたい』
 そんな思いを強く抱いていた。
 だから部活も挑戦的に選択しようとしていた。
 身長はないがバレーとかバスケット。
 文化系ならなるべくしたことのないようなもの。
 その中でも本命といえる部活が彼にはあった。
(演劇部なんてのもいいかもな。文字通り別人になれる)
 だが過日行われたオリエンテーションを参考にする限り、この学校には演劇部はない。
(ならどうしたものか)
 声をかけてくる運動部の誘いも耳に入らず、とぼとぼと歩く。

「そこの君。自分を変えて見たくない?」
 まさに正門を出たところで、自分の思いと同じことを他者に言われた。
 どこだ? 女の声だった。
 あたりを見回すと、すぐに一人の少女が目についた。
 金髪だった。ショートカットでさらされた右の耳たぶにはピアスが。
 制服こそちゃんとスクールブラウスの上からベスト。下には青いチェックのプリーツスカート。ジャケットは紺色のブレザーと、オーソドックスな制服である。
 原形をとどめていればの話だが。
 ところどころにバッヂがつけられ、一部にはアップリケまで。
 スカートは足を目一杯露出するように穿いていた。
 顔には化粧。
 典型的な「ギャル」だった。

 引き気味の裕次郎に「ギャル」は軽いノリで
「はぁい。アタシ烏丸美奈子(からすまみなこ)。二年生よ。あなた新入生?」と声をかける。
 裕次郎も「先輩」相手ということで無下には扱わず返答する。
「は、はい。(1年)C組の燕裕次郎です」
「きゃーっ。かっこいい名前ねぇ」
 静かにしゃべる分にはきれいだが、張り上げると若干ハスキーさが出てくる声だった。

「それで裕次郎くん。自分を変えて見たくない?」
 また言われた。
 その言葉が胸に響き、話を聞く気になる裕次郎。
「勧誘ですか? どこの部ですか?」
「トリックスター部よ」
「ああ。あの」
 別にうわさは聞いていない。
 ただオリエンテーションで物腰柔らかな女生徒が口にした名前が変わっていたので印象に残っていた。
「なにをする部活ですか?」
 確かに名前だけだとわからない。
「言ったでしょ」
 美奈子はそこで演出のつもりかくるっと一回転した。
「『自分を変える部』だって」

 自分を変える。
 まさにその思いにとらわれていた裕次郎は、誘われるまま美奈子についていく。
 これが今後の高校生活どころか、人生すら変えると知らないままに。

とりすた

〜いかにも第一話のようなお話〜

 文科系の部室が立ち並ぶエリアに連れて行かれる。
(随分はずれのほうに来ちゃったな)
 不安になる裕次郎。
「ここよ。入って」
 明るい声で言う美奈子。扉を開ける。
「はぁ」
 まだ不安だがとりあえずはついて入る。

 中は意外に広く、畳の部屋でいうなら10畳くらい。
 これまた意外に日当たりはよい。ただし四月の夕方でもう薄暗く照明がついている。
 壁にはスライド式の本棚があり、それを本が埋め尽くしていた。

 中央に大きなテーブルがある。椅子はパイプ椅子だ。
 その上座に当たる位置に栗色のソフトに波打つ髪を持つ女生徒が、ティーカップを口に着けていた。
 匂い。そして傍らのティーポットから察するに紅茶のようだ。
 壁にあるハンガーにブレザーがかけられている。
 栗色の髪の少女はベストを付けずカーディガンを羽織っている。


 その少女に「部長。新入部員連れてきました」と美奈子が明るくいう。
「まぁ。すごいわ。美奈子ちゃん」
 見た目同様やんわりとした声だった。
 その少女は立ち上がると、裕次郎に近寄って手を取る。
 美少女というより大人の女性。
 その色香に裕次郎はのぼせる。
「ようこそ。トリックスター部へ。わたしは部長の鷲尾陽子(わしおようこ)よ。よろしくね」
 そのまま抱きしめて、胸の弾力を知らしめる。
 甘い香りも手伝い裕次郎は訳が分からなくなる。

 二分ほど抱きしめられていただろうか。
 さすがに裕次郎は解放を望み、その旨を伝えた。
「あら。ごめんなさい私ったら。つい嬉しくて」
「これで廃部の危機を免れたわけですしね」
 美奈子が相槌を打つ。
「廃部?」
「ええ。見てのとおりうちの部活。定員割れを起こしているの。勧誘期間中に四人に達しなかったら同好会に格下げされちゃうところだったのよ」
「僕で四人? もう一人は?」
 表情の強張る美奈子。
 ギャルな見た目と裏腹にあまり図太い感じではない。
「あー。そこにいるんだけどさ」
 言われた方を見ると確かにいた。
 部屋の片隅で本を読んでいた。
「え?」
 没頭して本の世界に入り浸り、現実世界の騒ぎに気が付かなかったというところか。
 その「本を読んでいた少女」は声をあげて顔を上げる。
 黒髪を二つの三つ編みにしている。そして黒縁の眼鏡。
 絵にかいたような「文学少女」だ。
 顔は美人といえる。しかしその胸元が大迫力。
 のちにEカップと分かる。
(部長さんもすごかったけど、この人だとさらに上かも。身長が低い分なおさら)
 裕次郎はついそんなことを考えてしまう。

「あ……」
 本の世界から現実世界へと帰りきれていないようだ。
 寝ぼけたような目で三人を見ている。
「彼女は白鳥天音(しらとりあまね)ちゃん。二年生で本を読むのが好きな女の子よ」
「よ、よろしくです。白鳥先輩」
 いちおう挨拶をする。だが天音は裕次郎を見ていない。
「美奈子…この子は誰?」
 きれいな声だが迫力を感じさせた。
 わずかに腰を浮かせる。
「し、新入部員だよ。燕ちゃんっていうの」
 知り合ったばかりなのに苗字にちゃんづけである。
 それはさておき美奈子は引き気味である。
 文学少女とギャルが対立して、ギャルのほうが引いているのに違和感というのは偏見というものだろうか?
「酷いわ。私というものがありながら」
 胸をパインパイン揺らしながら駆け出す。
 裕次郎を無視して美奈子に飛びつく。
 そして美奈子の唇を奪う。
(えーッッッっ????)
 まさかの展開に驚くしかできない裕次郎。
 その間も天音は美奈子を攻めたてる。
「ちょ、天音。そこだめっ」
「酷いわ美奈子。あなたは私の初めての人なのよ。それなのに」
 意味不明だった。女同士でどうして『初めての人』になりえるのか。
 裕次郎はちんぷんかんぷんだった。

「はいはい。そのくらいにしましょ。出ないと彼、逃げちゃうわよ。同好会に格下げされたらこの『愛の巣』もなくなっちゃうわよ」
 部長の陽子がやんわりとたしなめる。
「それは困ります」
 あっさりと離れる天音。
 攻められていた美奈子は息も絶え絶えで立ち上がれない。
 そんな惨状を目の当たりにして、裕次郎は立ち去るほうに決意を固めた。
 こんなわけのわからない部活に入れるかと。
「あの、そもそも僕、見学に来ただけで入るとまでは」
「ええっ!?」
 瞬間的に美奈子が復活した。
「そんな、こんな美少女達の仲間入りできるんだよ」
 引き留めるはずのこの言葉は逆にカチンときた。
 自分の女顔をコンプレックスに感じているのだ。
 女子の仲間入りというのは、たとえ言葉のあやでもむっと来た。

「私からもお願いします。この部室がなくなると美奈子といちゃいちゃできる場所がなくなるの。入部してくれたら私のコレクション貸してあげますから」
「コレクションって…本ですか。僕、難しい本はちょっと」
 難しい本といったのは天音の見た目の印象だ。
 哲学書とか見てもわかりはしない。そういうつもりで言った。
「大丈夫よ。あなたもきっと好きになれるわ。ボーイズラブ
 没頭していた本のイラストは、裸の男子が絡み合っている図であった。それを裕次郎に見せる。
「男がそんなの見るかぁーっ」
 思わずテーブルをひっくり返してやりたい衝動に駆られる裕次郎。

「ねぇ。自分を変えて見たくない?」
 陽子が切り出した。
「変える…ですか?」
「ええ。わたしもこの『とりすた部』…ああ。トリックスタ―部のことね。入ってから変われたの」
「どんなふうにですか?」
 現在の部長を見ているとかつては人見知りが激しいのが、こうして誰にでも分け隔てなく優しく離せるようになったというところだろうか。
「わたしね、昔は手の付けられない不良だったの
 また斜め上の答えが来た。
「はい?」
「中学時代は喧嘩が強くて、ここに入学した時も制圧してやろうと思って暴れまわっていたの」
 説明されるほど混乱してくる。
「そしたらわたしの前の部長に『負けたら入部する』という条件で勝負して、負けちゃったのよ。それはもう見事に惨敗」
 なぜか朗らかにその過去を語る。
(こんな優しそうな女性が不良だったって? それが事実なら本当に変われるかも)
 自分を嫌になっていた裕次郎は、自分を変えたい思いから入部を承諾した。

「それじゃここにサインしてね」
「変わった入部届ですね。なんだか…」
 その入部届は羊皮紙でできていた。
(確かに変わっているな)
 軽く考えて「彼」はその羊皮紙に自分の名前を書き込んだ。その瞬間だ。
「あ…あれっ!? めまいが…それに体が熱い」
 一服盛られた? いや。何も口にしていない。
 意識朦朧とするが倒れない。
 体は二回り小さくなり、肌の色は白く。
 もともと女顔だったが肌の白さゆえに唇と頬のピンク色が目立つように。
 ないも同然だった体毛は消滅した。
 逆に短髪は爆発的に伸び、同時にピンク色になる。
 腰にまで達したら止まり、大部分をおろしたまま一部の髪が左右ひと房ずつまとまる。
 ツーサイドアップと呼ばれる髪型だ。

 体全体の肌の色も白く。そして肌は滑らかに。
 甘い香りを放ちだす。
 最初から細かったがウエストがさらにくびれる。
 胸はささやかに盛り上がりつぼみのようだ。
 腰から下も大きくなる。
 穿いているものを押し上げるほど臀部が盛り上がる。
 脚と脚の間隔が広がる。
 そして女性に侵入するための部位がカタツムリの触角のように引っ込み、代わりに男性を受けいれる部位が形造られる。
 もちろん外部だけではない。
 精巣がなくなり卵巣に。そして子宮も出来上がり活動を早々に開始した。

 着ていた「学ラン」も変化する。
 勝手に学ランが脱げワイシャツ姿に。
 それもはだけてランニングシャツがブラジャーに。
 防寒で着ていたTシャツがキャミソールに変化する。。
 ズボンも裾が上に上がりつつプリーツスカートへと変化。
 脱げていた左あわせのワイシャツが、右あわせのブラウスになって体に付けられる。
 何もない空間から学校指定のベストが出現して、ブラウスの上からその身を包む。
 最初にはずれた学ランが最後に女子用ブレザーとなって戻ってきた。
 どこからともなくリボンが出現して、胸元を彩る。

 体がバラバラになりそうな感覚がようやっと収まり、視界もはっきりしてきた。
 三人が顔を覗き込んでいた。
「わっ? なんですか? みなさん…!?」
 新入部員は口を押える。
 確かに自分の口から出た声。しかしまるで少女の声。これは?
「「「可愛いーっ」」」
 陽子が抱きしめ、美奈子がべたべた触り、天音が写真撮影していた。
「ちょ、ちっとみなさん。なんなんですか?…まただ。この声は?」

伝統のだまし討ち入部(笑)

このイラストはOMCによって作成されました。
クリエイターのAkiyoさんに感謝!

「論より証拠ですね」
 天音はデジカメの映像を見せる。
 そこには陽子に抱きしめられ、美奈子に触られている「小柄な少女」が。
「…………こ、これは?」
 明らかに自分ではないのか?
 しかしどう見ても女子。
「はい。どうぞ」
 手鏡を陽子が差し出す。それも眼前に。
 自分の顔が映る。
「まさか僕…」
「はい。女の子になりました」
「よかったなぁ。念願の『変身』だぜ」
 勝手に性転換させられた怒り故、燕裕次郎だった少女は、かろうじて気絶をしなかった。

「説明してくれますか?」
 凄んでも可愛らしすぎて迫力が出ない。
 今は全員がテーブルの椅子に着席している。
 上座というか部長の位置に陽子。その対面に燕裕次郎だった少女。それから見て右が美奈子。反対が天音だった。
「そんなに怖い顔しないの。美月(みつき)ちゃん」
「美月?」
 それはどこから来た名前だ?
「表情がくるくる変わって、まるでお月様みたいで」
「ああ。だから丸顔が満月でみつき」
「ほっといてください」
 男だとかなり気にしていた丸顔だが、女性化すると溶け込んでいた。
「満月じゃあんまりだから美しい月ね」
「まぁ。きれいな名前ですね。美月さん」
「もう美月でもなんでもいいから説明してください」
 怒りが増幅された「燕 美月」だった。

 ドアがノックされた。
「はぁーい」
 美奈子が返答する。
 開けていいという意味だったのだろう。扉が開かれ中年男性が入ってきた。
「先生…丸栖先生」
 美月の担任だった。彼女はやっと味方を得たと思い涙を流す。
「君は…誰だ?」
 当然の質問だ。元から女顔だし、胸も膨らんではいないが、明らかに女性化していた。
 燕裕次郎は男子なのだ。別人とみなされて当然だ。
 美月は生徒手帳を差し出した。
「燕美月? お前、燕(裕次郎)か?」
「先生? 今なんて」
 返してもらった生徒手帳を見る。
 そこの写真は今現在の女子としての物になっていた。
 ご丁寧に性別も女子になっている。
「おーっ。さらに可愛くなったなぁ」
 無神経に言う48歳。
「先生。驚かないんですか?」
「そりゃちゃんとある部活だし、何しろ俺はここの顧問だ」
 そりゃ驚くはずもない。
「ついでに言うとOB…いや。OGなんだぜ」
「なんですとーっ?」
 美奈子の言葉に仰天する美月。
「いやぁ。懐かしいなぁ。俺もだまし討ちで入部させられて、卒業まで女子として過ごしたわけだが。創部以来43年の伝統は脈々と受け継がれているのだな」
 嫌な伝統だった。
 それにそんな昔からあるのかと驚いた。
「今にして思うといい思い出だった。あの時に築いた女の友情から今の女房との縁ができたし」
 のろけまで始まった。

 丸栖鷹司。トリックスター部の元・部員で当時の名前は丸栖かもめ。現在は物理教師で美月の担任だ。

「先生! とにかく入部は無効です。こんな部活と知っていたら」
「なんだお前。部の名前でわからなかったのか?」
 呆れたように言う担任にして顧問。
「どういうことです?」
「本来のトリックスターは『狂言回し』とか『コミックリリーフ』というのに近いわけだが、この部活の場合は『Trick』は『偽り』で『Star』は『女子高生』だぞ」
「そんなのわかりますかぁーっ」
 今やっとわかった部の名前の由来だった。

「それにな燕。あの羊皮紙にサインした以上は卒業まで戻れんぞ」
「どういうことです?」
「契約期間は2016年3月31日まで。それまでは女の子のままよ」
「なんですかそれ? 解約できないんですか」
「無理よ。悪魔との契約ですもの」
 だから羊皮紙か…変な納得をした美月だった。

「安心しな。魂はいらないらしいぜ。道楽でやっているとか」
「節税対策でやっているのでは?」
「研究対象とも聞いたぞ。俺は」
「どうでも…よくはないか。魂を持っていかれたらたまらないし。それは安心だが」
「大丈夫よ。その期間が過ぎたら男の子に戻れるから」
「そうそう。俺が生きた見本だ」
 担任が言うと同時に、ちっという舌打ちがあった。美月のはずはない。
 一番それと縁遠いであろう天音だ。
「ずっと女の子でいいのに…そうすれば健二郎のお嫁さんになれるのに」
(うわぁ。本物だぁ)
 どうやらBL趣味といい同性愛は本物だったようだ。
「あの、健二郎って?」
 天音は黙って美奈子を指差した。
「アタシ。大輔がしつこいからアタシもこの部に入ったの。女同士じゃ無理でしょ」
 どうやら天音の本名は「大輔」らしい。
「でも、一度は肌を重ねた中よね」
 下腹部を押さえる天音。
 美月にも事情が瞬間的に理解できた。
 どうやら美奈子が男だったときに「男女の関係」になったらしいと。
「あ、あれはあんたの正体知らなかったから。ずるいよ。大輔ったら。そんな清楚なかっこでアタシの気を引こうなんて」
「うふふっ。逆にあなたがいくら私の嫌いなビッチを装っても、この愛は消えたりしないわ」
 美奈子がギャルに扮しているのはそのせいか。それも理解した。
(だったら女の子になるだけなって、ここにいなければいいのに)
 そうは思うがそこまで嫌っているのではないのだろうと察した。
 過剰なのがいけない。
 ブレーキをかけるため「健二郎」は『男子高校生としての日常』を破棄した。
「でもま。なってみて分かったけど女の子も悪くないわ。ファッションのバリエーションは圧倒的に女が多いし。男が化粧してスカート穿いてたら変態扱いされちゃうもんね」
 完全にこちらも心から女だなと美月は考えた。

「ちなみに鷲尾は慎之介が本名な」
 唐突に丸栖が切り出した。
「もう。先生ったら。今は女の子として青春を謳歌しているのだから、男としてのその名前出さないでくださいな」
 照れるしぐさも可愛らしい。
 どう見てももとは男だったとは思えない。

(僕もこんなふうに心まで女の子になっちゃうのかな?)
 恐怖したが
「ものは考えようだぞ。燕。色々気にしていたが女になればいいところだらけだ」担任が言う言葉で心が軽くなる。
 確かに背の低さも、顔立ちも、ソプラノボイスも女子としてなら問題ない。
 だがそれでいいのか?

「がーっっっっ」
 美月は奇声を上げた。全員驚くがお構いなしで張り上げる美月。
「宣言するっ。僕は絶対に心まで女の子になったりしないっ」
「あー…前にもそれ言ってたやつがいてなぁ」
「もう。先生ったらぁ。わたしの恥ずかしい思い出ばかり」

 燕裕次郎…美月は誓った。
 絶対にこうはなるまいと。
 三人の少女を反面教師としてやろうと。

 だがしかし「彼女」は最終的には「とりすた部」の部長の地位にまで上り詰めるのであった。
 今はその命運も知らず闘志を燃やす美月だった。


終わり


あとがき

 よくある「廃部寸前の部活に主人公が入部するところから始まる」という展開をTSでやってみました(笑)
 例によってTSと引っかかる命名で「トリックスター部」と。
 由来は劇中のそのままです。
「けいおん」に似ているのでタイトルもまねてひらがな四文字で。

 女子四名というのもよくあるパターンで(笑)

 サブタイトルにあるように「いかにも一話」という感じで。
 いろいろシリーズ抱えているので、続きはなく今回だけの予定です。
 もしやっていたら途中で部長が卒業。しかし新一年生で二人はいってきてという感じでしょうかね。

 ネーミングですが「トリ」ックということで苗字は鳥から(笑)
 下の名前は「スター」から星にちなんで。
 美月は見てのとおり月。陽子は太陽から。
 美奈子はビーナスで金星。
 天音は天王星から。
 先生は反転させて苗字が火星からくるマルスで。
 ツバメもタカもワシも出したので千葉ロッテのイメージであるかもめと(笑)

 美月の本名。裕次郎ですがこれは故・石原裕次郎さんから。
 男っぽいイメージで名前負けするようにしました。
 先輩部員の本名は単なるフィーリングで。

 美月の髪型がツーサイドアップなのは、うっかりするとまたツインテールになりかねなかったので自重した結果で。
 あとTS娘がド貧乳というのはなかなかに斬新…ブレイザという前例のある僕の場合はそれを言えなかった(笑)

 お読みいただきまして、ありがとうございました。

 

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